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ネオ・ウルトラQ 東京プロトコル

さてネオ・ウルトラQ第9話「東京プロトコル」の感想である。
(以下、ネタバレ感想)

日本は、というか世界は地球温暖化現象防止のため、国際協定「東京プロトコル」を定め、地球温暖効果ガスの削減に努めていた。
日本では温暖効果ガスの排出量を各県毎に定め、規定値を超えると即電力供給を遮断。
そのため日本の経済は困窮していた。
しかし地球温暖化効果ガスを食べる怪獣「プラーナ」が出現し、地球温暖効果ガスを食べてしまう。世界が温暖化に苦しむ中、日本だけは温暖効果ガスの発生が抑止できるため、普通の経済活動が行える。このため日本は好景気になるが、一方、温暖化ガスを吸収し続けたプラーナは、やがて爆発するように花開く。

一口に温暖効果ガスといっても、京都議定書によると、二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O、=一酸化二窒素)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) とある。うち大半は二酸化炭素であるため、今回の話で規制対象になっていたものは二酸化炭素 (CO2)なのだろう。
二酸化炭素排出の原因となっているものは、当たり前だがモノを燃やせば出てくる。
それは火力発電や工場、そして車や家庭からも出てくる。極論を言ってしまえば人間…生物が生きていれば排出されるモノである。
つまり、現在の人間活動において発展と二酸化炭素は切っても切れない関係にある。
排出量の削減とは、つまり衰退を意味するのだろう。

ところで劇中、二酸化炭素排出量はどうやって測定していたのだろう。
現実の排出量の計算は、基本的に使用した電力量やガス量から計算している。
二酸化炭素を出しそうなモノを、どれくらい使ったら、このくらいの二酸化炭素が出たなという後で行っているのであって、空気中の二酸化炭素濃度を計測しているわけではない。
しかし劇中は各県毎にリアルタイムで計算されており、しかもプラーナが温暖効果ガスを吸収し始めたことが判った。
つまり各地に計測器があって、リアルタイムに監視しているのだろう。
東京があっという間に温暖効果ガスの既定値に達したのは、単純に人口が密集地帯だからだろう。
それにしても工場を止めるのならともかく、電気を落としたのは何故だろうか?
東京都には「品川火力発電所」と「大井火力発電所」という2カ所の火力発電所がある。劇中では東京都への電力の送電が止まったように見えたが、恐らく上記二つの火力発電所を止めただけなんだろう。
というか、そうでないと色々とおかしい。
まず、東京の電力は東京の発電所では賄えない。
また本気で排出量を抑止するなら、工場や火力発電所だけでなく、車からの排気ガスを止めなくてはならない。だが急に車の使用に制限をかけたら、それこそ大混乱になる。また抑止するには何らかの強制力が必要になる筈。戒厳令でもを敷いていたのだろうか?
また電気を止めるにしても、急にとめることはかなり危ない。家庭ならともかく、工場や病院、特に情報施設への電力供給が急に止まりでもしたら、それこそ世界的にも壊滅的な被害となる可能性がある。
また家庭に対しても、急に電源を止められると困る人間も居るだろう。
夜に電気がないと困るだろうし、冷蔵庫の中身も腐ってしまう。
急に送電が止まるというのは、政策としてはかなり無謀だ。出来ればもう少し計画的に停電をしていただきたいモノである。(停電の話あたりは東日本大震災直後の計画停電から来ているのだろうが、それにしてもやや無謀な描写に思える。)

それにしてもプラーナとはどんな怪獣なのか。
二酸化炭素を吸収して成長するところをみると、多分植物に近いモノなのだろう。脈動しているけど。
最後に花が開いたが、多分、大したことは無いのだろう。まあ花粉が毒性を持っているかもしれないが、即死しない限りは無視されるのだろう。
人間、利便性の前には、多少の不具合は許容するのである。

今回の話はかなり隠喩が込められている。
「東京プロトコル」は「京都議定書」及び鳩山元首相がで国連で演説した温室効果ガス25%削減がモデルだろう。
これを実現するには、火力発電所を削減し原子力発電を増やすことが一つの方法であった。つまり怪獣「プラーナ」とは原発のメタファーだ。
これが爆発した(花開いた)。直ちに実害はないため、とりあえず無視する、というのが今回の話だろう。
まあ原子力に頼る人間の愚かしさを揶揄したい話なんだろうな。

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