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私的SKE48論2nd(その11)

今回のお題は、「『HaKaTa百貨店』に見る指原莉乃のトークテクニック」

 前回の文章を書いてて、各項目(企画力とか構成力とか)の意味が伝わり難いのかなという気がしたので、今回は「HaKaTa百貨店」をベースに筆者がどういったものをトークスキルと考えているかを見て行きたいと思います。とにかくこの番組は、指原が居なければ立ち上げ自体が不可能だったと思われ、もしHKTメンバーの個性をきちんと把握できていない構成作家が台本を書くとすれば、たった12回の放送では何も伝えられなかった可能性が高く、放送開始にGOサインが出たかどうかも極めて怪しい。また「HaKaTa百貨店」放送の最大の意義は1STシングルの告知であることを考えれば、「HaKaTa百貨店」の放送延期は、1STシングルの発売延期に繋がった可能性も極めて高いのではないでしょうか。もう、全てが泥縄だったと思うんですよね。またNMBの「なにわなでしこ」と比べた場合、「なにわなでしこ」も良い番組だったとは思うんだけど、最大の問題点は各回に参加するメンバーが非常に少なかった点だと思うんですよね。そして24回も放映したにしては、結果的にNMBメンバーを人数的にはそれほど多くは紹介出来なかった。まあピースが司会をしていた以上、ピースが把握出来ない人数を参加させてもしょうがないわけで、もちろんそこは不可抗力ですが。また「週刊AKB」(121102~)でもHKTメンバーのキャラクター紹介を行っていますが、約1時間かけて印象に残ったのは中西智代梨(一番面白い人)、村重杏奈(グイグイ来る人)、森保まどか(すぐ泣く人)の3人位で、やっぱり印象に残せた人数は多くない。

 

でも「HaKaTa百貨店」の場合は、HKTメンバーを完全に把握している指原が司会をしている以上、基本的に人数上限がありません。ネックになるのは番組の放送時間だけで、必要ならば全員の特技を隅々まで披露させる事も可能です。だからこそ、この番組の最大の特徴は、圧倒的な情報量の多さなんですよね。他の46・48系の冠番組に比べて、時間当たり軽く10倍位はあるんじゃないでしょうか。これは司会者と構成作家を兼ねる指原のHKTメンバーに対する知識が非常に豊富だから可能な事です(←いつも一緒に居るんだから当然とも言えますが)。さらに言えば、指原自身が普段からHKTメンバーのキャラを立たせてあげているので、どうキャラを立たせれば良いのかを最も良く理解しているのは指原自身なのだとも言えます。また連れてくるゲストも、全て指原と個人的に仲が良くて気心が知れたメンバーばかり、という所も強烈の一言。自分の縁故関係(初代Bメンとか地方組とか太田プロとか初代研究生公演メンバーとか)を公的なテレビ番組のキャスティングにまで反映したのは、AKB史上指原が唯一なのではないでしょうか(だから指原的には本当は北原里英は絶対に呼んであげたい所だろうけど)。それでは個別のシチュエーションを見て行きます。

 

>指原「今日の目標は『声出して行こう!』だから」

 

 最早ここまで来ると、放送作家を通り越してプロデューサーの領域です(笑)。結局指原には構成が出来ているから、「HKTは何を売りにしていかなければならないのか」という事がきちんと把握出来ているんだよね。憶測だけど、HKTメンバーが全員手書きのアピールポイントや推しメンの名前を胸に貼っているのも、指原のアイディアかもしれません。ゲストに対しても視聴者に対してもキャラが非常に伝わり易い訳で、誰にも損が無い。本当ならば3年前のSKEがデビュー当時からやっておかないといけなかった事なんですが、当時は誰も思いつかなかったんだろうな~。

 

>指原「あ、番組の影のCEOから指示が来た」

 

 逆にこれが構成作家権司会者の構造的な欠点です。本来一番面白い事が出来るのは指原本人なんだけど、誰も突っ込んでくれる人が居ないから自分自身の芸が披露できない。だからせめてもう一人、(最低でも指原に対してだけは)突っ込んでくれる第三者がどうしても必要になります。なんなら「指示が来た」という小芝居を一人で演じれば良いだけの話ですけどね(笑)

 

>峯岸みなみ「(柏木由紀の時はあんなに出迎えがいたのに)なんでいないのかな、今日は?」(中略)

>指原「みんな座ってるわ、ごめん」

 

 演出としては“柏木由紀を持ち上げて、峯岸みなみを落とす”という古典的な手法なんだけど、現在“すでにレジェンドと化しつつあるAKB一期生”にここまで思い切った台本を書ける放送作家はほとんど居ないと思われ、これはやはり“指原にしか書けない”台本なんだよね。

 

>指原「(不細工キャラの)みいちゃん(に対して)、かわいい扱いするのはおかしいからね!(指原に対するのと扱い方は)一緒だよ!」

 

 キャラを立てるという意識が非常に強いからこそ出る台詞。またこのやり取りからだけでも、指原がHKTメンバーに対して普段からどのような教育を行っているのかも、良く判ります。これだけ若い年令から「キャラの立て方」に対して超高等教育を受けているのは48プロジェクト史上HKTが初なわけで、もしかしたらそのおかげでHKT各メンバーの最終到達点は他グループのメンバーよりも高くなる可能性もあります。また本来キャラを立てるという行為自体が“企画・構成力”の最たる物であり、指原がHKTに加入し、指原がキャラを立ててあげた事でHKTメンバーのキャラが一気に判り易くなった事も、指原の大きな功績の一つと言えるでしょう。一応『HaKaTa百貨店』で強調されている(←つまり指原が推奨する)キャラ立てを一通り見てみましょう。

 

宮脇咲良(しっかり者の出世頭でみんなに慕われている。演技派で頭も切れる)

兒玉遥(がんばっているけど全く報われない。滑舌が悪く“さしすせそ”が言えない)

村重杏奈(お笑いのスベリ担当。笑いは全くとれないが、前に出る意識だけは最強)

中西智代梨(お笑いのウケル担当。顔芸・モノマネなど芸が多才。鼻の穴が大きい)

森保まどか(背が高くてクールで強気で怖い人。ピアノのエキスパート)

本村碧唯(弱虫ですぐ泣く。匂いを嗅ぎ分ける事だけは得意で、あとは全部駄目)

穴井千尋(特技はギターだけど上手くない。且つ面白くない。キャプテンで最年長)

田中菜津美(股割りが得意だけど他は全て駄目。且つ面白くない。最年少の小学生)

 

テレビ的にキャラが立っているのは、この位かなあ(蛇足ながら“面白くない”とか“何も出来ない”というのは、バラエティ的にキャラを立てる上では必ずしも悪い事とは限りません、念の為)。実は上から二人ずつセットになっているのが判りますか?。さすがは“キャラ立てのエキスパート”である指原の作品だけの事はあって、判り易くて良いですよね。

 

>指原「鹿児島出身?柏木ちゃん、方言で話してみる?」

>柏木由紀「え?」

>指原「駄目だったら切るから(※恐らく事務所NGの事を言っている)」

 

>指原「優子ちゃんがモノマネが得意ということで、まず優子ちゃんに1個見せてもらいましょう」

>大島優子「ええ~??(と言って嫌そうに顔をしかめる)」

 

 そしてこのくだりこそが、指原の真骨頂。多分これは台本に書いていなかったのを、指原がアドリブでぶっこんだと思うんですよ。では何故台本に書いてなかったのか。太田プロは(太田プロのくせに)、AKBメンバーに対してアイドルとしてのイメージが崩れる行為にNGを出しています(例:大島優子の変顔、指原莉乃のオタ芸など)。つまり台本に「ここで大島優子が変顔をする」と書いておけば、事務所NGが出た可能性が極めて高いと思われます(※柏木由紀もオフィシャルな場ではめったに鹿児島弁は使わないので、事務所に止められている可能性が高い)。でも収録の流れで出てしまったものに対しては、話は別(爆)。「やっちゃったものはしょうがない」と言って、強引に押し通すと言う荒業が使えるわけですね。しかしこういった手法を若手司会者が使うのは極めてまれです。何故かと言うと、本来「司会者が勝手に台本を書き換えるというのは極めて危険な行為」だからです。もしそれで笑いが取れたとしても構成作家のプライドは傷つくわけで、人間関係が上手く行かなくなる可能性が高い。逆に笑いが取れなければ、スタッフから「だから台本通りにやってりゃ良いんだよ!」と怒られるのが関の山です。どっちに転んでも、良い事なんか何も無い。ところが指原の場合だけは、事情が全く異なります。指原は司会者と構成作家を兼ねているので、台本を書き換える事に全く躊躇する必要が無い。むしろ「やばい事はあえて台本には書かずにおいて、アドリブの振りをして本番になってからぶっこむ」という離れ業が可能になるわけです(笑)。こうした手法が今後の指原の司会者としての最強の武器となっていくのは間違い無いでしょうね。これが構成作家と司会者を兼ねる事の、最大の強みと言えます。

 

>(ゲームのルールに関してHKTメンバーに猛反発を食らって)指原「判った判った。指原もこっち(=大家志津香と一緒に風船が割れる下)に入るから」

 

 これも一瞬にして台本を書き変えていますよね。指原が台本を書くと、ゲームが途中でルール変更しちゃう事が物凄く多いんだよな~(笑)(※「さしこのくせに」で野呂佳代と五番勝負をやった時もルールをばんばん変えてたし、「魁!音楽番付」でベリーズと共演した時もイントロゲームのルールを原型を留めないまでに変更した)。誰の了解も取る必要が無いから、楽ちんなんだけどね(爆)(←もちろん問題が起これば全責任は指原に掛りますが、それ以前に指原に全権を与えたプロデューサーが責任を問われるんだろうなあ)。ただ指原も現場の流れを読んで動いているわけだから、基本的には元の台本より悪くなるケースは滅多に無いとは思うんだけど。

 

>指原「だって咲良がやりたい事って、そういう事でしょ?」(と言って『ちんちん電車』を言わせる)

 

 これももう一つの指原の真骨頂。ハイコンテクストというのは白い紙の上に書かれた点の数を競う事では無く、点と点を結ぶ線の数を競う事なんだという話は何回かした事があります。これは人物相関図上だけの話ではなくて、番組の垣根を乗り越えて冠番組同士の企画でも連携が取れればさらにハイコンテクスト的な価値は高まるのですが、現実的には構成作家には知識的にも能力的にも大人の事情的にも限界があるわけで、テレビ局の異なる各番組間でのリンケージを取ることはなかなか困難です。しかし指原が台本を書く場合には、これらの壁を全て乗り越える事が可能になります。だって台本には書いていない、収録中にたまたま勢いで起きたハプニングに関しては、しょうがないじゃないですか(笑)。今回の『ちんちん電車』は元々有吉AKBのネタなんだけど、仮に台本に書いてあればNGだったかもしれないのを、さもハプニングであるかのように演出した事で強引にオンエアに乗せる事に成功しました。他番組とのリンケージを取る事で視聴者に対する番組のハイコンテクスト的な価値を高めることにも成功しています。だって僕ら視聴者は、(大人の事情なんて邪魔なだけで)こういう画が見たいわけじゃないですか。それをストレートに見せる力があるのは、やはり指原以外にはほとんど居ないんですよね。

 

 とまあ言うことで、今回はこんなもんかな。

 

<結論>:木下百花も同じB4thやってるわけだし、この位は普通に出来るようになって貰わないとね!!!

 

(この文章の内容は、筆者の個人的な見解であり、他の如何なる個人・団体とも一切関係ありません。また文責は全て筆者個人にあります。何卒ご了承ください)

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コメント

さっしーは深夜や地方(博多)で制約が少ないところで自由にやってる時が一番魅力が発揮されてる気がする。

投稿: | 2012.12.21 18:13

さっしーを好評価してくれて、ありがとうございます。

投稿: 指原軍 | 2012.12.21 20:03

秋元がもっとも惹かれた才能がこれですよね、他のアイドルには真似の出来ない希有な才能、百貨店見ると良くわりますよね。

投稿: ゆびファン | 2012.12.22 00:08

鋭い洞察力、恐れ入ります。台本の書き換え力というのは、確かに凄いなと思います。私が一番驚いたのは、
セカンドシングルの特典映像のよしりん先生との対談で、ハカタの事を話すというテーマを瞬時にAKBのテーマに
変更しました。あの変更はよしりん先生も驚いてましたが、嗅覚というか度胸というか、展開を察知する能力に長けてるんでしょうか。若干20歳にして末恐ろしいですね。

投稿: けんけん | 2012.12.24 18:27

指原さんの周りを活かす能力はすごいですよね。
野菜シスターズで新加入の茉夏、花音、山本さん、みるきーさんを活かしてた動画もありましたし。
そういえば、文春騒ぎの時に、某掲示板で「チームEに来て欲しかった」的なことを書いたら、大叩きされたことを思い出しましたw
まあ、グループ的にはチームEよりもHKTを盛り上げる方が急務だったでしょうから、Eの可能性なんてほとんどなかったとは思いますが。

投稿: sskbibi | 2012.12.25 02:33

あほか

投稿: | 2012.12.29 01:39

オタ芸禁止は太田プロプロからじゃなくて秋元さんからのはず。
太田プロからは変顔が禁止。

投稿: | 2012.12.29 08:49

先日のHKT48の公演MCで指原さんが「HAKATA百貨店の雛壇に愛ちゃん(多田さん)がいてくれると、その雛壇での安定感ぶりにMCとして安心する。」と言っていましたね。

HAKATA百貨店に出ているメンバーは、キャラがたっていてなおかつ期待に応えてくれるメンバーが数人に限定されるので指原さんは結構苦労していると思いますよ。

穴井さんのキャラ付けなんか結構苦肉の策だったようにも思えます。(でもこのキャラ付けは指原さんだからこそできたと思います。)

ちなみに私個人としては古森さんが残ってくれていて雛壇にいれば、指原さんももう少し楽だったのだろうなという気がしています。

古森さんはとりあえず大きな声でリアクションをとってくれますし、大きな声でガヤも入れてくれますし、最悪見た目でいじることもできますし、物怖じせず口げんかもできますから・・・。

投稿: たかとし | 2012.12.29 15:59

ちなみに「ちんちん電車」では、有吉AKB共和国のDである武田氏とはグーグル上でやりとりをし
(アンリレがらみで連絡とりあえるだろうに、あえて公開の場でプロレスをして)
今後、HKTの番組登場に意味をもたせるあたりに、他のアイドルでは考えられない凄みを感じたものです。
(そのやりとりの中で、これからもそういう番組作りを頑張りたいです!・・・って、オイオイやっぱり
ディレクションの一部も担当していたのかという書き込みもありましたし)

投稿: あき | 2013.01.01 15:28

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