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私的SKE48論(その1-2)

今回のお題は、「46・48系本店支店を、プロレス団体に例えてみる(AKB48&SKE48編・後編))」

 続きです。

 所詮はハイコンテクストのプロレスに過ぎなかったUWFが、最後の最後には究極のローコンテクストであるK-1やPRIDEに行き着いたということは、SKEもまた同じ道程を辿っていく可能性が高いのではないでしょうか。“人気”を最重視するAKBの最終到達点が東京ドームコンサートであるというのなら(叶っちゃいましたが。次の目標は4大ドーム同時中継コンサートで動員20万人とかなんだろうか)、“勝利”を最重視するSKEの最終到達点はローコンテクストアイドルの頂点である必要があります。仮想敵として考えた場合、韓流アイドル達ではSKEが挑む相手としては完全に力不足です。単に“巨大さ”という点ではSKEのライバルとなり得るのはAKBだけですが、あまりにも方向性が違いすぎて試合が成立しません(※猪木VSアリ戦みたいなものです)。ではローコンテクストアイドルの頂点とは、果たしてどこにあるのでしょうか。筆者がSKEの最終到達点だと考えるのは、<<全米ビルボード・ウィークリーチャート1位>>です。当然でしょ、ここが本物の頂点なんだから(※そしてSKEにとっての“約束の地”は東京ドームなどでは無く、聖地・マジソンスクエアガーデンで決まりでしょう)。AKBは日本でCDが何百万枚売れようとも、恐らく“全米ビルボード・ウィークリーチャート1位”を獲る事はほぼ不可能なんですよ。何故ならAKBの最大の武器であるハイコンテクストにおける莫大な情報量は、国境を超える過程で<<言語と文化の壁>>のためにその大半が失われてしまうからです。しかしハイコンテクストとローコンテクストを並立するSKEにならば、国境の壁を超え得る可能性があります。

 僕らが前田日明に託した夢は、プロレス(=ハイコンテクスト)のチャンピオンが総合格闘技(=ローコンテクスト)のチャンピオンになる事でした。僕らが前田日明に成し遂げて貰いたかった事は、キックボクサー・モーリススミスにきっちり落とし前をつけ、空手家・佐竹雅昭をリングの上でボコボコにのし、後のPRIDEチャンピオンであるヒョードルとノゲイラをKOKトーナメントできっちりと仕留め、400戦無敗のヒクソングレイシーを相手に完全なる勝利を収め、その上でマークコールマンやマークケアーらを倒してUFCヘビー級チャンピオンになることでした。でもこれらの夢は、一つとして叶う事は無かった(というよりも戦う事すらなかった)。まあ僕らだって無理だと判ってはいたんですよ。当時の前田日明は年齢的にもきつかったし、膝はぶっこわれていたし、技術的にも間違いなく劣っていたし、そもそも顔面パンチを打つ技術も受ける技術も無かった。だから前田日明を責める気はあまり無いし、ただ少し残念だったというだけの話です。(※余談ですが、前田日明の若きヤンキー時代のエピソードを元に三池崇史監督(←秋元康氏原作の「着信アリ」の監督でもある)が作った映画が「喧嘩の花道」。「喧嘩の花道」を見て感動した漫画家の高橋ヒロシがそれをきっかけに作った映画が「クローズZERO」(※本作には前田日明率いる総合格闘技団体ジアウトサイダーの選手が多数出演している)。「クローズZERO」を元にして作られたテレビドラマが「マジすか学園」。そして「マジすか学園2」の主人公は松井珠理奈。「喧嘩の花道」のラストはレスラー前田日明(を基にしたキャラ)とボクサー赤井英和(を基にしたキャラ)がリング上で異種格闘技戦をするシーンで終わるんだけど、「マジすか学園2」でもヤンキーであるセンターと、キックボクサーであるチョウコクの異種格闘技戦が描かれました(多分マジすかのスタッフも判った上でやっていると思うんだよね)。・・・ただ決め技のブレーンバスターは、キャプチュードにして欲しかった!!)

 なぜBUBKA編集部が執拗に「日はまた昇る!松井珠理奈復活への道」という記事を連載し続けているのか。なぜ月刊BLTの編集長は松井珠理奈のファンである事を公言するのか。総選挙ムックやじゃんけんムックを作っている元プロレス誌や格闘技誌のライター達がなぜこぞって松井珠理奈支持を表明するのか。答えはもう判りますよね。僕らが松井珠理奈に賭ける夢、それは僕らが10年前にUWFとその末裔達に賭けた夢でもある、『俺が信じて俺が応援する以上、何としても最強の存在になって貰いたい(=最強でない筈がない)』という願望そのものだと言えるでしょう(違っている人も居るかもしれませんが)。少なくとも筆者的には日本人である桜庭和志がホイスグレイシーの勝つ所を、もう一度だけ見たいんですよ。日本人のハイコンテクストのチャンピオンがローコンテクストの世界王者に勝つ所をもう一度だけ見たいという、ただそれだけの話です。筆者の超個人的な見解を言わせて貰えれば、松井珠理奈はもうAKB選抜には参加するべきではないと思う。だってSKEの不動のセンターがAKBのバックダンサーを務めるなんて、有り得無くないですか?(せめてフロントラインならまだ理解出来るんだけど)。どうもこの力関係の差が「AKBが上でSKEが下」という序列を作っている気がしてしょうがないんだよねー。もし松井珠理奈をAKB選抜から完全に外す事が出来たら、そのまま松井珠理奈を軸とした対米侵攻作戦用の最強のSKE選抜チームを3年かけて組み上げます(※筆者個人的には、斉藤真木子には何とか死に場所を用意してあげたい)。またここまではダンスの話しかしてきていませんが、歌のエキスパートが必要なのは当然の話です(←アニマックス主催アニソングランプリファイナリストとかね)。そして国内マーケット向けには松井玲奈を軸とした、キャラ立ちまくりの“目指せミリオン”選抜を組みます。これに関してはどれだけAKBに格下扱いされようが、とにかく歯を食いしばってハイコンテクスト的な情報量を増やして貰わない事にはどうしようもありません。そして何としてもSKEのCDセールスをミリオンに乗せ、資金を蓄えます(※恐らく対米侵攻作戦には、ざるに水を注ぐほどの金が必要になる筈なので)。

 そして3年後に松井珠理奈が18歳になった所でまずは韓流アイドル(まだ生き残っていればですが)の連中を玄界灘に叩き落とし、そのまま米国上陸作戦を決行。年間4枚シングルをリリースするとして、3年間で12回程度のチャレンジになるのではないでしょうか。勝ち目ですか?。正直言ってかなりきついでしょうね。何と言っても歌とダンスの本場でのアウェーの戦いになるんで(←アウェーでの戦いは、常にキツイ)。でも日本の女子高校生が全米チアダンス選手権で総合優勝したりもしているんで、不可能ではないと思うんですよ。さらに言えばSKEはハイコンテクストアイドルです。ローコンテクストならば勝ち負けだけが全てですが(※山本KID徳郁や秋山成勲といったスター選手でも、UFCで3連敗もすれば引退勧告が出される)、ハイコンテクストならばストーリーとしての見せ方によっては、かなり長期間の継戦能力がある筈です(金が続けばですが)。というよりもSKEの米国進出をドキュメンタリードラマとして考えた場合、予定調和的な勝利よりも、勝ち目の無さそうな巨大な敵に立ち向かう先の見え無さの方が遥かに面白いんじゃないでしょうか。そしてこれこそが映画館で毎年上映するにふさわしい、「ドキュメンタリー・オブ・SKE48」だとは思いませんか?。だからSKEにとって一時的な敗北は必ずしも組織の根幹に関わる問題ではなく、むしろSKEが上を目指して戦い続ける事を辞めた時こそがSKEが真の終焉を迎える時なのだと考えます(この辺りもそっくりそのままUWFの歴史に当てはまります)。そして上手くいけば今から5年後には、米国のテレビ番組の中でレッドカーペットの上を練り歩く松井珠理奈率いる最強のSKE選抜の姿を見られるかもしれません。…岡見勇信亡き今、夢の賭け所はもうここしかないんだよ!!(←日沖発はイマイチ信用出来ないんだよな~)

<追記>:もう一つだけシステム論的な話をさせて貰うと、立ち上げ当初のAKB48は、実は新生UWFと極めて近いコンセプトを持っていました。新生UWF立ち上げ当時、全てのプロレス関係者が『プロレス団体を運営していく上で大手スポンサーとテレビ中継が絶対に必要!』と言っていた中で、新生UWFだけが唯一『<<ファンさえいてくれれば>>ライブと映像の物販のみでプロレス団体は成立し得る!』と主張したわけです(※もちろん新生UWFのみが正しかった)。そして時を経て、全ての芸能関係者が『芸能界における社会的な成功のためには、テレビ局やメジャーレーベルや大手スポンサーの力が絶対に必要!』と言う中で、立ち上げ当初のAKB48だけが『<<ファンさえいてくれれば>>テレビ局やメジャーレーベルや大手スポンサーの力を一切借りなくとも、専用劇場のライブのみでアイドルは社会的に成功し得る!』と主張したわけですね(※もちろんAKB48のみが正しかった)。そしてこの二つの組織に共通するのは、最新のシステムを積んだ最強の存在であるのは当然として、過去の亡霊による既得権益保持のための談合の枠の外の存在であるために、基本的には<<外圧による崩壊はあり得ない>>という点です。

 ・・・であるにも関わらず、新生UWFは3年で崩壊しちゃいましたけどね~(泣)。原因は言うまでもなく<<金の獲りあい>>による内部崩壊です。要するにみんな金が儲かりすぎちゃって、舞い上がっちゃたって事ですね。しかしこの点に関してだけは、(少なくとも現在の)AKBは信頼できます。総合プロデューサーの秋元康氏がそもそもAKB自体からは一切金を得ていない状況(※基本的には選抜CDの作詞料とカラオケの権利料だけと言われている)では、他のスタッフが金を鷲掴みしていくのもなかなか難しいわけで、金の獲りあいによる内部崩壊だけは避けられそうな状況です(将来的には判らないけど)。そしてほとんどの芸能関係者がAKBの短期間での崩壊は有り得ないという事が判ってきたからこそ、みんなでAKBの尻馬に乗ろうとしているわけです。ただ筆者的にこの二つの組織に期待していた事は、<<過去の亡霊による既得権益>>を破壊して新しい秩序を構築する事でした。つまり新生UWFに筆者が期待したのは、全日や新日を崩壊に追い込んで、たるみきっていたプロレスをより競技性の高いプロフェッショナルレスリング(※現在の考え方からすればMMAを想定していたんだと思う)に昇華させて貰いたかったんですよ。同様に筆者がAKBに期待していた事は、明らかに過去の亡霊による談合の末路としか思えない現在の芸能界の在り方を破壊し尽くして、より公平で公正な新秩序をAKB主導で組上げて欲しかったわけです。・・・でも多分、もう絶対無理だねえ。ここまでAKBにバーニングだのエイベックスだのがぶら下がってしまえば、AKBもまた完全に“過去の亡霊”の一員です。まあこれだけ組織が巨大化して何百人ものメンバーの将来を預かっている現状では、やむを得ない決断だという事を理解は出来ますが。

 もう一つだけAKBと新生UWFの類似点を。AKBがコンサートやイベントで、テレビに頼らない形でソニーのLivespireによる映画館での初めての本格的な同時生中継を行いましたが(※AKBにはこれが可能だという事をテレビ局は理解したからこそ、逆にAKBメンバーのテレビ出演頻度は上がったと言えます。つまり“干しても効果が無い”って事です)、この原型となったクローズドサーキットという同時生中継方式を本格的に導入したのも、新生UWFが最初と言われています。ここから得られる教訓は、結局の所テレビが有ろうが無かろうが、ファンが望む物をファンが望むタイミングで提供出来なければ、人気なんてものは絶対に維持出来ないということです。売り手の勝手な思惑で「将来的なDVDの売り上げが落ちるから」とか「面子が立たないから」なんて言ってファンのニーズを無視し続ければ、必ずその報いを受けることになるということですね。(単なる遊びですが、もし46・48系自体を新生UWFに例えるならば、AKB=リングス(・・・まあ色々な意味で)、SKE=パンクラス(ガチな人達なんで(笑))、NMB=格闘探偵団バトラーツ(普通にプロレスだし)、乃木坂=Uインター(リングスに喧嘩売っているんで。あとダブルバウトみたいにどんどん純プロレスに向って退化していく所とか)みたいな感じでどうでしょう?)

(この文章の内容は、筆者の個人的な見解であり、他の如何なる個人・団体とも一切関係ありません。また文責は全て筆者個人にあります。何卒ご了承ください)

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コメント

>(多分マジすかのスタッフも判った上でやっていると思うんだよね)。・・・ただ決め技のバックドロップは、キャプチュードにして欲しかった!!)

決め技はブレーンバスターですよ
これは1.2の三四郎で三四郎が得意技にしてたのがブレーンバスターでしたからそれへのオマージュだと思われますが
2でのクライマックスでプロレスを嘲笑してた赤城を仕留めたのもブレーンバスターでした

投稿: あい | 2012.06.10 08:29

>決め技はブレーンバスターですよ

あれ?本当ですね。訂正させていただきます。

投稿: 少年王3号 | 2012.06.11 01:51

お疲れ様です!
この記事、本当に面白いです!

個人的には、「〜玄界灘に叩き落とし〜」のくだりがツボでした!

少年王氏的には、最強SKE選抜と目指せミリオン選抜のメンバーはどんな感じの構想なのでしょうか??

アメリカ進出といいますと、お隣の国の9人組が行きましたが、結局曲がアメリカかぶれた何の面白味もない曲で、結果的に失敗していたように把握しています。
今の48グループっぽい曲でいくのか、それともテイストを変えていくのか。
少年王氏の見解が気になります。
お時間ありましたら、少年王氏の理想をお聞かせください!

この記事のSKEの対米進出、今のAKBよりも数段上の夢があって、ぜひ実現してほしいと思いました!

長々と拙い文章を失礼しました。

投稿: りゅう | 2012.06.11 14:23

再開まってました!
少年王さんの記事を読むようになってから、今までと違った視点で見るようになって本当に面白いです!

これからもゆっくりでいいんで更新してほしいです!

それでこの記事にちらっと登場した斉藤真木子について、僕はこの半年くらい注目してたんですが、彼女の行く末について、どのようにお考えですか?

簡単にでいいんで、余裕があれば少年王さんの考えを教えていただきたいです。

長文失礼しました。

投稿: | 2012.06.22 17:46

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1 :名無しさん@実況は禁止です:2012/06/16(土) 04:50:44.87 ID:oahDb/fl0 こりゃAKBに復帰しても、今の地位キープできんだろなヲタの支持も激減するだろうし [続きを読む]

受信: 2012.06.16 06:08

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