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新・私的AKB48論5th(その22)

今回のお題は、「AKBシステムの最新モデルであるNMB48に関する初級講座」

 今回はNMBのシステム的側面についてごく簡単にまとめてみます。まずはAKBモデルからですが、最大の特徴はテレビ局・大手レコード会社・スポンサーとしての大企業などに全く貸し借りを持たない事によって、金とコネこそ無いものの、非常に自由度の高いシステムに仕上がっているということです(またいつもの話の繰り返しですが)。このAKBモデルの最大の弱点は、立ち上がり速度の遅さです(まあ金とコネは無いんで)。AKBは結成してから3年もの間CDが3万枚以下しか売れない超低空飛行を続け、「大声ダイヤモンド」発売時以降の大金を投入してのプロモーションによってようやく調子が上向きになりましたが、それでもあれから2以上年経ってもまだ頂上が見えないという遅々とした前進となっています(まあ頂上が高いので、気にしている人はほとんど居ないのでしょうが)。その反面、忠誠心の高い“筋金入りのアイドルヲタ”の定着率は非常に高く、本来ならばこれだけCDが売れればとっくに他のアイドルに乗り換えてしまうようなトップヲタ(例えば毎日ひたすら劇場での公演内容をネットにアップし続けてくれているメモリスト氏など)が、現在でも全く撤退の気配が無いということが、AKB最大の強みの一つとなっています。これは“AKBが大資本によってコントロールされているのでは無い”事によって、古参のアイドルヲタ一人ひとりが“俺がAKBを育てたんだ”という強い意識を持っているからだと考えられます。こうしたファン層を持っているからこそ、AKBは最悪何らかのトラブルで全マスコミから完全に排除されようとも、また劇場からゼロから立て直すことすら可能なわけで、短期間でAKBの息の根を止める事はほぼ不可能だと言える訳ですね。

 次にSKEですが、SKEモデルの場合はシステム的にはAKBモデルと一般的なアイドルの中間に位置していると考えられます。一見するとAKBと何処が違うのか一般の方には良く判らないかもしれませんが、AKBと最も異なる点はマスコミにも影響力のある大企業(この場合は京楽です)の単独スポンサードである点です(つまり最初から金とコネはあるわけです)。そのためにSKEには最初から二つの選択肢があり、AKB同様に“筋金入りのアイドルヲタ”が定着するまで何年間でも劇場に身を潜めているか、他のアイドル(韓流アイドルとかですね)と同様に初期プロモーションに莫大な金を突っ込んでとにかく知名度を一気に上げてしまうか、どちらでも選べたわけです。結果的にSKEは当初はAKBモデルに近い動きをしたわけですが、最大の誤算は忠誠心の高い“筋金入りのアイドルヲタ”が思ったほど定着しなかったことではないでしょうか。そのため劇場のチケットの競争率はさっぱり上がらず、公演内容を毎日ネットにアップしてくれるようなトップヲタも未だに現れていません。原因ですが、運営の遣り方(地元軽視とか劇場軽視とか)にもかなり問題があったとは思うのですが、やはり大企業の影がちらついちゃって“俺がSKEを育てんたんだ”という意識をファンに持たせる所までには至らなかったのではないでしょうか。そんなわけでSKEは2010年に入って突如方針転換をして、従来のアイドル同様に(というか「大声ダイヤモンド」以降のAKBと同様に、と言うべきか)一気にプロモーションに金をかけての知名度のアップに乗り出したわけです。…ただ中途半端な時期にプロモーションを行っても、結成当初に行うよりはかなり効率が悪くなってしまうのは当然のことであり、現在のSKEは全てが中途半端な状況になってしまっています。

 というわけで最新型のNMBモデルですが、これはSKEの立ち上げ時の失敗をかなり改善したものになっています(まだ上手く行くという保障はありませんが)。AKBモデルの最大の弱点である“立ち上がり速度の遅さ”を打開するために、まだ劇場公演を始めてすらいない内から絨毯爆撃的なプロモーションを行い、知名度のアップに乗り出しました。またバックに吉本興業が付いたことによってさんま・伸介・ダウンタウン・ロンブー・ナイナイあたりの番組には全てバーターでの出演が可能な筈であり、そのマスコミ展開能力にはSKEでは全く歯が立たないと思われ、下手をすると本家AKBを凌ぐ可能性すらあります。まして(少しだけパフォーマンスの話をしておくと)NMBは平均年齢14.7歳とは言えキャレス(日本最高のダンススクールとのこと)から4名のメンバーが入っており、沖縄アクターズスクール大阪校からも残党が何人潜り込んでいるのか判らないと言われる状況で、いきなり初演のセットリストがA3rd(非常に難易度が高い)ということは、パフォーマンス自体も全48プロジェクトでトップクラスである可能性すらあります。その上ジャニーズのプリンス・中山優馬の実姉がメンバーにいて、実質的にジャニーズと遠戚関係にまでなってしまうというのだから堪りません(笑)。

 このようにあらゆる側面で隙が無い様に見えるNMBモデルですが、もちろん問題点はあります。まず、これほどAKBモデルと懸け離れた手法を取っている以上、ファンの構成比率もAKBとは全く異なった物になってくるだろうということです。つまり大企業によって完璧にお膳立てが成されているNMBに対しては、“俺がNMBを育てたんだ”という強い意識を持っている忠誠心の高い“筋金入りのアイドルヲタ”がほとんど(全く?)育たない可能性があるということです。要するに、(AKBモデルとは違って)普通のアイドルとおんなじ、って事です。だから万が一人気が下り坂になれば、逆境を救ってくれる“筋金入りのアイドルヲタ”がほとんどいない可能性もあり、案外打たれ弱いかもしれません。またいきなり劇場を潰されちゃった吉本の若手芸人の恨みも相当買っている筈で、その辺に足を引っ張られる可能性もあります。まあ、何事も全てが上手く行くなんて事は無いってことですよ(爆)。48プロジェクトの姉妹がNMBで最後なんて事はある筈も無く、NMBモデルもまた今後の姉妹プロジェクトの試金石の一つとなる事でしょう。NMBが上手く行ってくれれば、姉妹プロジェクトの結成も加速度的に増していく可能性が高く、真のJPN48の結成にもより近づくと言えるでしょうね。月並みですが、がんばって欲しいものです。

(この文章の内容は、筆者の個人的な見解であり、他の如何なる個人・団体とも一切関係ありません。また文責は全て筆者個人にあります。何卒ご了承ください)

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芸能・アイドル」カテゴリの記事

コメント

細かいことですが
× 中山勇馬
    ↓
○ 中山優馬
です

投稿: け | 2010.12.24 09:10

少年王さんメリークリスマス!

やはりAKBはまだまだ上がって行きますか!

ところでAKBの握手会に訪れるファン数のことなんですが、
1~2万人程度では少ないとよく言われます。

この数字は他のアイドルなどと比べると実は少ないのでしょうか?
少年王さんはここはどう見ますか?

投稿: hirota | 2010.12.24 18:26

興味深く拝見しています。
秋元Pの「予定調和をくずす」発言もありましたが、AKB本気モードですね。板野のソロデビューはまだ驚きませんでしたが、まさかの指原看板番組!しかもTBS!(対吉本策でしょうか。)
次に何が起こるのか、予想していただけませんか?(ドレスコードあたりが動き出すと面白いのですが)

投稿: さみ | 2010.12.24 22:11

SKEですが、公演の倍率は以前からご指摘のようにもう少し上がっても良さそうですね。
私はあまり当たりませんが…。
それに、名古屋在住でもSKEよりAKBと言う人は多いですね。
(メディア露出は東海地方に限ればAKBと遜色ないのですが…)
あとは、公演可能なチームが出揃った時点で真価を問われるでしょうね。

あと、最近公演レポートしてくれてる人が現れましたよ。
2chなのでブログではないですし、毎回公演に入っていると言うわけではないですが…

投稿: 通りすがり | 2010.12.25 15:48

>○ 中山優馬です

直しておきますm(_ _)m

>ところでAKBの握手会に訪れるファン数のことなんですが、1~2万人程度では少ないとよく言われます。

2万人が少ないんですか?。武道館フルハウスの2倍が少ないと言われてもねえ(笑)。他のアイドルは2万人握手会に集まるも何も、2万枚CDを売るだけでも四苦八苦ですよ。

>次に何が起こるのか、予想していただけませんか?

筆者は以前から結構企画は出しているんですよ(新生AKBアイドリングとかね~)。で、実現したもの(最近では島田晴香のテニス企画とか)以外は、現在でも期待して待っている所なんですが(^-^;

>あと、最近公演レポートしてくれてる人が現れましたよ。2chなのでブログではないですし、毎回公演に入っていると言うわけではないですが…

すばらしいです!。SKEもCDが15万枚売れたり、公演リポートを上げてくれるファンが現れたり、ようやく形が見えてきましたね。…本当は1234ヨロシクが8月位にエントリー出来ていれば、紅白だってどうにかなった可能性もあると思うのですが。

投稿: 少年王3号 | 2010.12.25 20:57

忠誠心といえるのか分からないけど、AKBへの対抗意識を打ち出すことで支持が得られるんじゃないかと、いろいろ考えたけど現実的ではないという結論に。無理に大阪から動かなくても広い範囲に情報を発信できると思う。福岡も吉本主導になったりするのかな。SKEも無関係ではないのでテレビ出演などで恩恵をもらっていると思うけど、劇場を共有していることによるマイナスのほうが大きい?。他のコメントに横槍を入れると、更にゴーデンタイムに限ればSKEに遭遇するのはNHKのミニ番組くらいかな。

投稿: 金太 | 2010.12.26 17:41

すいません、思い込みで変なコメントをしました。毎度の事ですが。つい、誰かに話を聞いて欲しいなぁと思ってコメントしてしまう。自分の意見ではなく、ここの論評をこのように解釈しました、という報告に近いけど。反応が欲しくて、挑発的なことを書いたり。熱くなるなんてダサい、って正にゆとり全開でした。仮に正しいことを言っていても、どこの誰だか分からない人の話には説得力がないですよね。ブログとか積み重ねがあって、読み手が筆者を信頼する。正しいかどうかはどうでもよくて、AKBの未来が明るいと思えると嬉しい。基礎知識がないのですぐに忘れてしまうけど。覚えている名言といえば“好き嫌いの問題じゃないっすか?”
(筆者さんではなく読者のコメントかもしれない)。アイドルの魅力は理屈じゃない、と言ってしまっては、ここの論評を否定しかねないですが、使いたくなる言葉です。

たぶんまたコメントしちゃいます。

投稿: | 2010.12.28 23:15

こんにちは。更新を楽しみにしてました。今回の記事は少年王さんならではの内容で面白いですね。マーケティングの部分を機軸に書かれているようですので、私なりの解釈を。

AKB運営が考えるターゲット層ですが、2009年中頃までは所謂昔のアイドルヲタクといわれる層(M1, M2層)をターゲットとしていたと考えます。仕事を持っており安定した収入がありパラサイトシングルで自由に使えるお金がある、こういった層に狙いを定めていたのでしょう。その戦略は的中し、少年王さんがかかれているように濃いファン層を獲得するに至りました。勿論他の世代(特にT層)への波及も期待していたのでしょうが(ピンクチケット制等)、メディア露出がほとんどなかった状況を考えると遡及効果は望むべくもありません。一方、アイドルヲタクと呼ばれる人達の総数は決まっており、限られたパイを分け合っているという状態です。
この状態を運営(電通)はどのように打破しようと考えたのでしょうか。ここで限られたファン(アイドルヲタク)を全て取り込んでしまう事もできたと思いますが、その選択では業界が閉塞し最悪の結果を生むのはマーケティングに携わった人間ならば誰でもわかります。となると新規層(特にブームの火付け役となるT層)の開拓に舵を切るしかないのですが、主要メンバーである前田世代の高校卒業前後を契機にメディア展開を始めるのが理想的と考えたのではないでしょうか。

総選挙を分析されていたのでお分かりだと思いますが、現在のAKBファンの80%以上はT層です。ブームが過ぎ去れば一気に波が引く危険性も孕んでいますので、飽きさせないような矢継ぎ早の展開が必要になってくるでしょうが・・・楽曲がどのような内容であっても、握手券目当てでCDが売れることは最新シングルで証明されました。このビジネスモデルが破綻する事は、もはや世代交代の失敗意外では考えにくいかもしれません。
(※柱枠の廃止や応募倍率高騰で、古参アイドルヲタが劇場公演に参加できない事による弊害は若干あるでしょうが、それも舵を切る時点で想定の範囲でしょうね)

SKEについては少年王さんが書かれている通りで、時期的な事(AKBがメディア展開に舵を切っていなかった)があるのでしょう。土地柄も若干あると思いますが、SKEのファン層はT層が50%前後もしくはそれ以下だと分析しています。これでは現在のAKBに伍するのはさすがに難しいでしょうね。

他方、NMBについては少年王さんが書かれている事とほぼ同義なのですが、私はそもそもアイドルヲタクをターゲットにしていないのではないかと考えます。これは昔からなのですが、関西圏のお笑い芸人はT層(女性)とF1からは熱狂的なほどのもはやアイドルと呼んでも差し支えない人気を誇ります。アイドルが育たないといわれるのはそういった風土も関係するのですが、吉本としてもウィークポイントであるT層(男性)を取り込みたかったというのが実情ではないかと。劇場改築まで実施するのですから、企画段階で少なくとも5年以上の長期的なスパンで計画されているのでしょう。関西圏にもAKBに興味を持っている学生は相当数いますが、交通費や今の応募倍率を考えるとAKBの劇場公演を見るのは相当難しいです。そういった需要があるところにNMBという受け皿ができる。内情が見えないので詳細に分析はできないのですが、私はターゲットを絞っても資本を回収できると思います。

今後の「48プロジェクト」の最大の不安要素は、以前少年王さんが書かれていたように秋元氏の健康状態なのかもしれませんね(w

投稿: Satoshi | 2010.12.29 18:16

AKBは割りと早くから大手スポンサーとの絡みが多いですよ。大声以前から何度も電通経由で大仕事取ってます。お忘れですか?
大手事務所移籍を始めてからはもちろん、その加速度がさらに上がりはしましたけどね。

そしてSKEの弱点は大手事務所移籍や提携が無いところ、レコード会社が弱小なところ、これに尽きるでしょう。

投稿: AKBを誤解している | 2011.01.12 19:51

>AKBは割りと早くから大手スポンサーとの絡みが多いですよ。大声以前から何度も電通経由で大仕事取ってます。お忘れですか?

 一点目ですが、この文章における「スポンサー」と言うのは文脈的に、SKEにとっての京楽のような冠スポンサーの事を指しています。”仕事をくれる人”のことを言っているわけではありません。

 二点目ですが、筆者の認識では電通経由の大仕事って、インディーズ一作目の「桜の花びらたち」の時だけだという認識なのですが、それ以外にも大仕事ってたくさんあったのでしょうか。もし良ければ教えてください(その割にはCDが売れていない気もしますが)。

投稿: 少年王3号 | 2011.01.16 00:03

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