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新・私的AKB48論5th(その12)

今回のお題は、「2009年6月に行われた、SKE48秋葉原公演について思うこと」

<2009/06/08>:メモリスト氏の率直な感想より
・率直に感動した。大げさではなく、公演時間の7割りくらいは寒気がした。パフォーマンスは素晴らしかったし、ステージから伝わってくるものがあった。なんだか圧倒された気分。
・(四ヶ月前に)名古屋で行われたS2ndの初日は珠理奈のパフォーマンスが際立っていて、頭2つくらい抜けてたように感じたが、今日は、珠理奈は相変わらずよかったが、他のメンバーとそれほど差は感じなかった。他のメンバーが追いついてきてる、全体的にレベルアップしてるといった印象を受けた。チームバランスが良くなってきたのではないかと思った。
・メンバー全員、フリ1つ1つ大きくしっかりしていて、腰の動きとかもしっかりしていて、隙のないパフォーマンスだった。メンバーたちのパフォーマンスに圧倒された。パフォーマーはこうあるべきだと思った。ステージへの意気込みという点では、AKBの子たちは完敗だと思った。
・AKBの3公演の日のおやつ公演は、3公演の中で一番パフォーマンスが落ちる公演のように思うが、今日はそういったことを一切感じさせないパフォーマンスだった。昼公演からわずか1時間のインターバルで公演をやってるなんて、とても思えないほどだった。タフだと思った。
・AKBの1年目のステージをなんだか思い出した。今のAKBにないものが詰まっていたように思う。
・今日のメンバーたちのパフォーマンスを見て、もっとたくさんの人、全国の人にSKEのことを知って欲しいと思った。

 以上がメモリスト氏による、「S2nd」の初めてのAKB劇場での公演の観劇記(の抜粋)になります。いつもメモリスト氏の「メンバー観察日記」を読んでいる方はご存知だと思いますが、メモリスト氏は常に冷静で切れ味の良い、辛口ながら公正な論評が持ち味の人なんだけど、後にも先にもここまで手放しで褒めた記事を、筆者は見た事がありません。新規の方にはなかなか判り辛いと思うのですが、我々はこの時、本当にたまげてしまったんですよ。多分筆者はこの日の感動を、一生忘れないでしょうね。この日の公演をメモリスト氏は「寒気がした」と表現し、BUBKA編集部は「涙が止まらなかった」「舞台から風が吹いてくるように感じた」と書き、日刊サイゾーは「総選挙はSKE圧勝」(まあ、気持ちだけは判るんだけどね(笑))と記事にしました(元々サイゾーは反AKBなんだけど、反AKB親SKEを積極的に打ち出すようになったのは、恐らくこの頃からではないでしょうか)。

 この時の状況を簡単に解説しておくと、2センテンス目の“珠理奈は相変わらず良かったが~”というのは、メモリスト氏がこの公演の四ヶ月前に「S2nd」の初日を名古屋に見に行った時の感想に、「珠理奈は飛びぬけて良かったが、全体のバランスを考えて<<もっとパフォーマンスを落とすべきだ>>」ということを書いたんですよね(爆)。…多分他のメンバーは、悔しくて泣いたんじゃないでしょうか。当時若干12歳の珠理奈に客観的に見てそこまで差をつけられたことに対して、AKB研究生から鳴り物入りでSKEに移籍した中西優香・出口陽(はちょっと事情が違うけど)、ダンス経験があって自分がSKEのセンターに立つのが当然だと思っていた桑原みずき辺りの精神状態は、想像を絶するものがあります。…あれから四ヶ月、いわばあの日のリベンジのためにこの日まで狂ったようにレッスンを繰り返してきた彼女達のパフォーマンスが神懸っていたのは、むしろ当然のことだったかもしれません。

 AKBがチームシャッフルを決意したのは、間違い無くこの日のSKEの秋葉原公演の影響でしょうね。当時SKEの公演を観劇した人達の間では、「AKBのパフォーマンスでは、SKEには全く歯が立たない」という意見が実際に主流であり、戸賀崎支配人も「AKBのパフォーマンスがSKEに負けているという話は私の耳にも入ってきていますが、必ずAKBに初心を取り戻させて見せます!」といった内容をわざわざスタッフブログに記す所まで状況が追い込まれていく中で、AKB運営としてはメンバーにもう一度挑戦者としての意識を持たせるためには、チームシャッフルという荒療治がどうしても必要だったということになります。もう一つ付け加えると、シャッフルのチーム編成も、恐らくチームKから行われた可能性が高いのではないかと考えます。つまり「AKBにも、チームSとダンスでガチに遣り合えるチームが、どうしても必要!」というコンセプトからです。だから楽曲もチームKのものが一番最初に完成したし、筆者的には3つの公演の中で「RISET」が最も完成度が高い気がするんだよね。

 8期生達の寿命を縮めたのも、あるいはこの日のSKEの秋葉原公演に原因の一部があったのかもしれません。メモリスト氏もこの時期のAKBのパフォーマンスには苛立ちを隠しきれず(隠す気も無いだろうけど(笑))、特に8期生メインの研究生公演に対しては「これがAKBのダンスかと思うと、悲しくなる」とまで書いており、それを読んだ筆者も“これで8期生の命運は尽きたな”と漠然と思ったことを憶えています。ただシャッフルにせよ、8期生の振り落としにせよ、この時期にやっておいて正解だったと筆者は考えています。だってCDがミリオンセラーになってからチームシャッフルなんて、有り得ないでしょ?。だからと言ってぬるま湯のような旧チームの体制のままでは、現在の仕事の質と量には耐えられなかったと思うんだよね。8期生に関しても、例えば“8~10期生全員の中で25名だけを残す”という考え方をすれば、当時の8期生から落とされていくのはやむを得ないのではないでしょうか。

 閑話休題。恐らくSKEの秋葉原公演の感動を共有出来ているか否かで、SKE及び松井珠理奈に対する評価は全然変わってくるんだろうなという気がします。今年の夏のチームSの東京公演は(筆者は見ていないのですが)BUBKAの話だと“全然駄目だった”ということなので、見に行った人にもSKEの本質は伝わらなかった可能性が非常に高く、大変残念です。…とにかくベストの状態のチームSの公演を一度見て貰って、その中で松井珠理奈がどう機能しているか、そしてどれだけ献身的なバックダンスを踊っているかを見て欲しい。そうすれば現時点でも松井珠理奈の動きは、大島優子にだって一歩も負けていないことが一目で判ります。…このあたりの話は、未見の人とでは議論がどうしても噛み合わないんだよね。松井珠理奈の実績を箇条書きにして、AKBの大声ダイヤモンドプロモーションのための資金捻出、SKE48の立ち上げと最高のダンスチームへの進化のための触媒作用、AKBの意識改革とチームシャッフルの達成、SKEのスポンサーに対する実力誇示とプロモーション費用の捻出、なんて言ってもむなしいだけだし。

 筆者的に頭にくるのは、SKE運営がBUBKAとのインタビューで、「夏休みにGロッソでの10日間連続のチームSの公演はぜひやりたいですねえ」とか「劇場公演はもっと増やしていかないと」とか言っておきながら、さっぱり実行しなかったことです。…48プロジェクトの「劇場最優先」の意味が、湯浅支配人には本当に判っているのかね???。空いている日は全て研究生に踊らせる位の事は、やって当然だと思うんだけど(最近になってやっと少し増えてきたけど)。こんなことだから「ももクロ」に“客席を暖められ”そうになったりするんだよ!!。…やっぱりあの日のチームSのパフォーマンスこそを、どれだけプロモーション費用を突っ込んでも、短期間で日本中に広めなきゃいけなかったんだよなあ。完全に一年、対応が遅れた気がします。この分だと、SKEの公演を見て目覚める人なんて、そうそう増えるもんじゃないよなあ(泣)(←やっぱ、SKEは劇場公演のインターネット配信が無いのが、最大の元凶なんじゃないかなあ)

(この文章の内容は、筆者の個人的な見解であり、他の如何なる個人・団体とも一切関係ありません。また文責は全て筆者個人にあります。何卒ご了承ください)

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コメント

少年王3号さん、このすぐ前の僕のコメントを読んでいただけましたか?
是非何かレスポンスをいただけたらと思うのですが。

投稿: T | 2010.11.20 18:56

少年王3号さん記事再開ありがとうございます。そしてお疲れさまです。

いつも楽しみに読ましてもらっているのですが松井珠理奈やSKE関連の記事になると結局はダンスパフォーマンス云々の話になってしまいます。これは少年王3号さんに限らず何処でもそうなんですけどね・・・。
そんなに鬼気迫るダンスや揃ったフリや力強さが大事ですかね?何時も疑問に感じます・・・。

あくまでダンスチームとしてライブだけで活動するグループなら理解出来るのですがアイドルグループなんですよね?

メディアに出て来た以上エンタメアイドルグループとしての行動を余儀なくされます。歌・ダンス・容姿・キャラクター・
トーク・演技etcのエンタメ総合力で勝負しつつ、成り立ち(歴史)やプライベートの一部を晒し共感関心を誘う。
そして、それが受け手の琴線に触れた時評価なり成果なり結果が現れると思います。
ディープなアイドル好きの人にはそのダンスパフォーマンスが琴線に触れたかもしれないですけど一般には・・・。

高1と小5の娘がいますがAKBに関心は示してもSKEには関心を示さないですね。アイドルに関心を示す女の子達は
自分が頑張ればもしかしたら手の届く歌やダンスのAKBに共感を抱いても、高度過ぎるダンスのSKEには共感しないのではないでしょうかね。

SKEがAKBを超えるとしたら秋元プロデュースから離れてダンスに見合った曲を得て人々の琴線に触れさせる事でしょうね。AKBの曲が受けたのは曲とダンスのバランスが良かったことが1つの要因でしょうから。

長々と書き申し訳ありません。少年王3号さんは曲とダンス(振り)のバランスについて如何にお考えでしょうか?


投稿: ワイズマン | 2010.11.21 00:18


いい記事をありがとうございます!!
SKE好きとしてはたまりません!!!!!!!!!
私は実際に公演を劇場の生で見たことはありませんが
松井玲奈ちゃんの影響で見るようになって
そして青空片思いではまりみなさんが口をそろえて神公演というS2nd「手をつなぎがら」
のDVDをかいました。
もうDVDでも十分鳥肌ものでした。
いまでは幻にもなりつつあるフルメンバー。
本当に感動しました。
でもメンバーのブログをみているとそのパフォーマンスをするまでにかなりの辛さがあっただろうなと思いました
そこでやめて行ってしまってメンバーもいるし…

SKEはAKBにはない何かがあると思います。

そしてその何かとあのパフォーマンスをもっと多くの人に知ってもらうには
運営次第だと思います。
ほんとにあの運営は新規の私から見てもかなりのくそ運営だと思います。
SKEがいまいちブレークできないのは運営のせいもかなりあるとあもいます。

投稿: あさみ | 2010.11.21 00:19

ただし、ダンスが凄いだけだと
だったらプロダンサーにやらせれば?って話になっちゃうんですよね

アイドルとしての価値を高めながらどこまでダンスもしっかり出来るかが
アイドルユニットの本質ですから、公演のダンス振りに視線が偏りすぎて
そこを見誤ると、それはそれで危ないと思いますよ

SKEが一時停滞したのはそれが原因でしたからね

投稿: アイドルとは何か | 2010.11.21 07:06

次はNMBに期待。やる気とか直向さだけを求めるなら他のアイドルでもいいかも。それが秋元プロデュースならより良い。

投稿: 金太 | 2010.11.22 01:09

いつも読み応えのある記事をありがとうございます。
SKE48の姿勢には少し思うことがありますので、コメントさせていただきます。

SKE48は立ち上げ時からのコンセプトとして、激しい振り付けとダンスを中心に構成されています。
これは松井珠里奈という10年に一人(秋元氏いわく)の逸材を、
最大限に輝かせるための方法ではないかと考えています。

私はミュージカル・演劇等の舞台をよく見に行くのですが、
歌いながら踊るというのは非常に困難なことで、特殊な呼吸法を必要とします。
SKE48の公演の振り付けを見る限り、
日本でトップレベルのパフォーマーでも、とても歌って踊れるような構成ではありません。

最初から歌はカブセで、ただ曲に合わせてダンスをするだけ・・・
これがSKE48のスタンダード(AKBもですが)となってしまったコトが、すごく残念でなりません。

先日TeamSの3rd公演を見ましたが、もうマイクなしでもいいんじゃないかと思いました。
これは松井珠里奈のパフォーマンスが、SKE48のデファクトスタンダードとなってしまった事が最大の要因ではないかと思います。松井珠里奈を否定するわけではありませんが、SKE48が方向性を限定してしまった事は、不幸な事に思えて仕方がありません。

投稿: サトシ | 2010.11.22 04:29

ダンスについてはそもそもSKE加入前の経験年数にメンバー間で大きな違いがありますので、
最初の半年強程度では大きなばらつきが見られるのは当たり前ですしね。(珠理奈はもちろんダンス経験者です)
普通に考えれば、そこに驚く要素はそれほど大きくないと思います。

歌については、そもそもSKEはボイストレーニングそのものが全くありませんね……。
完全に捨ててしまっていると言っても、過言ではないでしょう。
まあ主要選抜対象メンバーに歌手志望者は一人も居ないので、効率的といえば効率的かもしれませんが、
本当は数曲くらいは生で歌って踊れる十八番を用意しておかないと損なのです、けれども、もう遅いですね。

なおサトシさんも仰るように、全てを珠理奈中心に合わせすぎた弊害が多く積み重なっているのも現実ではあります。
かつては、CD収録の曲のキーすら珠理奈のキーに合わせるためだけに
他のメンバーに対して合わないキーで歌わせて加工しちゃったりまでしていたくらいです。
メンバーの選定や売り出し方、振り付け、ブログなどアピールの手法の制限、握手会のシステム、などなど
全てを珠理奈中心に配慮しすぎてしまった点は、本人にとってもSKEにとってもあまり良い事では無かったようにも思います。

投稿: アイドルとは何か | 2010.11.24 03:21

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