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「教えて☆AKB48!(上級編)」(その三)

「平嶋夏海の物語」(下巻)

 「ノースリーブス」と「渡り廊下走り隊」のつばぜり合いは、ほぼ互角の展開を迎えた。ノースリーブスはAKBの至宝とも言うべきメンバーを集めたAKBの最重要ユニットであり、そのプロモーションには十分な金がかけられた。デビューと同時に3人が主演するドラマ「メン☆ドル」の放映が開始され、一般への認知を高めるための様々なバックアップが行われていく。一方格下の渡り廊下走り隊には派手なプロモーションなど行えるはずも無く、苦戦が予想された。そんな中で平嶋夏海はインタビューで、「5日間で握手会でCDを5千人に手売りする(注:握手は500回もすると手が腫れ上がって感覚が無くなると言われている)」「オリコンウィークリーチャートで必ず10位以内を取る」と宣言すると、徹底した草の根戦術で宣言通り見事に10位を獲得。どちらも一歩も引かない展開が続いた。お互いに2枚目のシングルを発売した時点で、CDの総売上数はお互いにほぼ互角の1万7千枚前後と、拮抗した状態で第一ラウンドを終えた。

 2009年8月末日時点で、6月から始まったAKB本隊の大攻勢が一応の終結を迎え、いよいよノースリーブスと渡り廊下走り隊の第二ラウンドが始まろうとしている。レーベルとのトラブルでほとんど動きが止まってしまったノースリーブスに対して、渡り廊下走り隊は次のCDのリリースを決定し、新たなステップに移ろうとしている。しかし高橋みなみがこのまま終わってしまうことなど有り得ないであろうし、後から追撃してきたSKE48はファーストシングルを一週間で2万4千枚売り上げ、AKBの二つのユニットのCD売り上げ数をあっさりと抜き去った。しかし逆境でこそ力を発揮する平嶋夏海もこのまま終わってしまうことなどありえない。相手がSKE松井珠樹奈であろうとも、一歩も引かない踏ん張りを見せてくれることと思う。勝負はまだ、始まったばかりなのだから。

 なぜAKBの中で平嶋夏海の存在が重要であり、一般の人達にはほとんど知られることの無いポジションでありながらも筆者があえてAKBの<象徴>という言葉を用いたのかご理解いただけたのではないだろうか。それは、例え天性の資質に多少問題があったとしても、例え最低ランクのバックダンサーとしてキャリアをスタートさせたとしても、AKBの中での<序列>を逆転させることができるということを、平嶋夏海が身をもって証明してきたからに他ならない。現在でも薄暗い最後列の片隅で毎日バックダンサーを務めているたくさんのメンバー達にとって、平嶋夏海は大きな<希望>だというの言いすぎだろうか。余談だが、平嶋夏海はAKBにおいて一つの大きな記録を持っている。それは公演参加回数。公用以外では一度も公演を休んだ事が無いと言われている高橋みなみの公演参加回数が500回達した時、平嶋夏海の公演参加回数はそれとほぼ同時に600回を突破していた。これは現役AKBメンバーの中でダントツの第一位であり、平嶋夏海が如何にAKBに貢献してきたかの現われでもある。「がんばり屋」のあだ名は、やはり伊達ではないのであった。

 最後に一つ、エピソードを紹介しておこうと思う。2009年8月23日に行われた武道館コンサートの最終ステージにおいて、現在のAKBの各チームを一旦解体し、メンバーの大半を入れ替えて、過去のポジションを一新(組閣)することが発表された。初めて聞いたメンバー達は動揺しまくり、倒れる者、泣き出す者、ハイになってしゃべり続ける者などが続出した。そんな中で秋元康氏はメンバー達にこのように語ったとされている。「今回の組閣を決める為に、僕たちスタッフは何日徹夜をしたと思っているんだ?一人一人どこに行けば、本人にとって一番成長出来るのか?それだけを考えて今回のチームシャッフルをしたんだ。君達は今の状態で満足をしているのか?チームBに移籍した浦野・平嶋、渡邊の事を覚えているか?チームAから移籍した事によってそれぞれが新しい可能性や魅力を見出し、プロダクションが決まったりユニットデビューが決まった事を・・・」。時代は一巡して、平嶋夏海が切り開いた道のりは、今やAKBの全メンバーが歩む道となった。気が付けば平嶋夏海は、AKBの先頭に立っていたのだ。(了)

(この文章の内容は、筆者の個人的な見解であり、他の如何なる個人・団体とも一切関係ありません。また文責は全て筆者個人にあります。何卒ご了承ください)

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コメント

もしかしたら、公演参加回数が最も多いって事が、一番すごい事なのかも知れない。
先日、勇退?した野村監督って…たぶん、選手として、3200試合ぐらい?監督として、3300試合ぐらい…合わせて、プロの試合に、6500近く出ている。これが、いっとう、凄いんじゃないかな。
なっちゃんもノムさんも大々的に祝ってもらったりする機会は、ないのかも知れないけど、その財産たるや、凄まじいと思う。

投稿: ピーナッツ | 2009.12.25 20:00

(記2009/12/27)
平嶋夏海はAKBINGO!への出演がこの1年半全く無く、週刊AKBへの出演はゼロ回、海外公演にも一回も連れて行ってもらっていないという、これ以上無いほどの“干され”メンバーです。12月25日放映のMステーションスーパーライブ2009のポジションも、最後列最下手側で前には背の高い佐藤すみれが立つという、これ以上無いほどの最悪のものでした。ここまで極端な反主流派は他にはちょっと思いつきませんが(梅田彩華くらいかな)、だからと言って凹んでただ潰されるのを待っているわけではない所が平嶋夏海の真骨頂。

 AKB歌劇団に抜擢されなければ、自力で舞台“乱童”の仕事を取ってくる。干されてテレビに出られなければ、渡り廊下走り隊をAKB最強ユニットに育て上げ自力でテレビに出る。これだけメディア露出が少ないにも関わらず、総選挙では曲がりなりにもアンダーガールズに食い込む。これらはやはり最多公演参加回数による経験値と、それを判っている劇場ヲタの支援の賜物なんだろうな、という思いを強く待ちますよね。

投稿: 少年王3号 | 2009.12.28 07:47

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