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My最新ドラマ感想文:「LOST」(現在放映中・米国)

 CSにて視聴中(BSでも放映開始)。完全ネタばれ。でも読んでも特に問題ないかも。

 日本ではさっぱり知名度がないものの、米国におけるLOSTの人気は凄まじい物があるようです。今ホームページを見たら2005年度の「エミー賞」「ゴールデングローブ賞」その他で、全部で65部門ノミネート、25部門受賞、エミー賞とゴールデングローブ賞では、「24」その他を差し置いて、両方とも作品賞受賞ですよ!!。これはもう、(少なくとも米国においては)社会現象といっても過言ではないでしょう。・・・とは言え米国人の熱狂を他所に、筆者はかなり覚めた目でこのLOSTを視聴しています。本当はけっこう好きなテーマの作品ではあるんだけどね!。

 この物語は飛行機が無人島に墜落して48人の生存者がサバイバル生活を始めるところから始まります。毎回一人のキャラクターに焦点を当ててそのキャラの過去の生活と現在の生活を交互に見せる形で物語は進んでいきます。そしてほとんど毎回のように謎が増えていき、一つも解決しない(笑)。例えば初回にして名簿で生存者を確認していたら、仲間に名簿に乗ってない奴が紛れ込んでいる。40年も前から自動装置でどこからか救援信号が発せられている。森に謎の獣(ガス状生命体?)がいる、死人の中に重罪犯を護送中の刑事がいたらしい(つまり中に凶悪犯が紛れ込んでいる)。森の中に絶対に開けられない謎のハッチがある。下半身障害で歩けなかった男が歩けるようになった。麻薬を密輸中のセスナが森の中に墜落している、etcetc。これらの謎はそれぞれ良くできていて、引きも悪くありません。

 ではどこが気に入らないかと言うと、まず無人島生活をなめきっている製作サイドのスタンスです。筆者は幼少のみぎりから無人島文学を愛読してきました。「ロビンソンクルーソー」「二年間の休暇」「神秘の島」「スイスのロビンソン」などなど。大人になってから読んだ「蝿の王」なんかは特に印象に残っていますね。これらの作品とLOSTが決定的に異なっているのは、「ただ生きるためのだけの戦い」がLOSTでは全く描かれていないことです。水を探せばすぐ泉が見つかる。家が欲しいと思えば洞窟が見つかる。果物は取り放題。魚は韓国人のマフィア上がりの男が幾らでも(本当に幾らでも!)取ってきてくれる。その結果無人島生活の筈なのに、48人の内まともに働いているのは(見た目)5人程度で、後は日がな一日ぼーっとしてるだけ(まあそれ以外にものろしの番をしてる奴が何人かいるんだけど)。全く働いていないデブに至っては、「もう魚食べ飽きたから、森で猪でも捕って来てよ!」とリーダーに詰め寄る始末(死ね!デブ!)。これでは無人島生活というよりは、テレビが通じないだけの、南国リゾートみたいな感じです。

 ただ逆に、ここまで苦労が見えてこないLOSTだからこそ、ライトユーザーに受け入れられた、ということも理解しているつもりです。本当に無人島生活の苦闘なんか描いちゃったら、ライトユーザーはみんな引いちゃうよね(笑)。そしてもう一つ、米国人が熱狂している様々な「謎」についてですが、筆者はこれらに対しても非常に醒めた眼で見ています。その理由を語る前に、米国における連続ドラマの構造について簡単に触れておきましょう。

 米国における連続ドラマは、まずパイロット版として第一話だけが作られ放映します。そしてその結果をみて(まあ視聴率だね)第一シーズンを製作するか決定します。そして第一シーズンが作られたとして、最終話は必ずブリッジストーリー(橋渡しをするための前後編の話)となって、第二シーズンへの「引き」にします。つまり第一シーズンの最終話は必ず物語の途中の一番盛り上がる所で中途半端に終了し(前後編の前編だけ)、その回の手ごたえ(まあ視聴率だね)によって、第二シーズンを作るかどうかを決定するわけです。要するに中途半端な話の続き(前後編の後編)から始まります。例えば筆者が昔見ていた「キャプテンパワー」というSFドラマは、第一シーズンの最後に敵の基地に突入して味方は負けて全滅します。もちろん人気があって第二シーズンが作られれば、何らかの理由をつけて生き返る(そんなドラマは腐るほど見てきました!)のですが、作られなかったため本当に負けて全滅したまま終わってしまいました(泣)。つまり米国のドラマに関しては、きちんと最終回が描かれることは本当に稀で、大抵はブリッジストーリーの前半がそのまま最終話になってしまう(つまり何一つ伏線が収束しない状態で終わってしまう)わけです。お解りいただけるでしょうか。

 さてLOSTの場合ですが、謎をばら撒くだけばら撒いている本作は、少なくとも今は人気があるので問題ないでしょうが、ちょっとでも人気が落ちてどこかのシーズンでブリッジストーリーが一回でもこけると、それでジエンドになってしまう可能性を常に秘めているわけです。筆者が過去に見てきた米国製ドラマで、きちんと最終回が描かれたものなんて、数えるほどしかありません。その内の(筆者的に)最新のものである「バビロン5」は、最終回一話手前まで伏線をばら撒き続け、最終回にはそれらを一切収束させずに、<そして20年後・・・>とか言って主人公が死ぬところだけ描いておしまい。それでも最終回があるだけマシです。十年以上に渡って357話(一時間番組で!)も作られた米国の国民的ソープドラマ「ダラス」に至っては、突然の打ち切りで最終回すらないんですよ!!、いやマジで。

 ドラマやアニメなどの物語にきちんとした最終回がある、ということは日本人にとっては当然のことですが、それはとても贅沢なことなのかもしれません。LOSTにこうした贅沢が許されるかどうかは神のみぞ知る、ということですが、筆者的にはLOSTのキャラクター達が無事に米国に帰りつけるとは到底思えないんだよね~。でもまあ演出的には良くできていると思うので、あまり深く考えずに見るのはいいのではないでしょうか。今回の教訓は、「成果第一主義も、考えものな時もある」というところかな。ではまた~

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コメント

アメリカのドラマといってもスタートレック(といってもはじめのシリーズ+ちょっとだけ・・・)くらいしかみていないけど、SF系ドラマの場合はブリッジストーリー構造はあるのでしょうか?ああ、ギャラクティカとかそうだったかなー?(うろ覚え)

ドラマも現地での流行や、前後の他作品との関係とか考えるためには相当見ないといけないですよねー。日本のもほとんど見れないけど、、、アメリカのドラマ紹介日本語雑誌とかあるのかな?輸入されてないやつとかも含めた・・・?

投稿: harada | 2006.11.22 00:50

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