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My最新特撮感想文:「シルバー仮面」(1971年)

 CS「ファミリー劇場」にて11月末より放映開始(筆者は先行放送で何話か見ました)。ネタバレとか一切関係なし。

 筆者を始めとする旧ウルトラシリーズ(ウルトラQ~ウルトラセブン)に対する憧憬を持って育った世代にとって、これらのシリーズは神格化された存在であって、言わばアンタッチャブルな存在でもあった。だからこそ現在までに放映された新シリーズ(ティガ~マックス)に旧ウルトラシリーズのスタッフが参加した作品に関しては、他とは全く異なった評価基準で評価し、この内容を必ず<<褒める>>ということを行ってきた。

 しかし他と同様の評価基準で旧ウルトラシリーズのスタッフ作った作品を見てみた場合、その内容は現在のスタッフがやりたいこと比べれば明らかに<とんちんかん>な代物であって、とても高評価を与えられるものではないと思う。ティガが歌舞伎舞台で戦うシーンなども、それ自体は映像的に面白いものかもしれないが、旧ウルトラセブンを意識しまくって作られたティガ全体を見渡して考えれば、やはり佳作とは到底言えない作品であるのではないだろうか。

 現在放映中のメビウスの前作に当たるマックスで、やはり旧ウルトラシリーズのスタッフがミニシリーズのような形で過去のウルトラシリーズに出てきた強力怪獣を連続してマックスと戦わせるという企画があった。しかしその出来は(少なくとも筆者にとっては)全く評価できる代物ではなかった。むしろこういったものを中心に据えたからこそ、マックスは低水準な作品に留まったのだと確信している。

 理由は年齢による才能の枯渇、なんかでは全然無くて、単に彼らが自分達が作った後のウルトラシリーズを<<全く勉強していない>>ことに尽きると思う。過去の作品に登場した怪獣をリバイバルで登場させるということは、最低でもその怪獣が出てきた過去の話を見てそれと矛盾の無い話にするとか、その作品が人気がある理由を分析してそれにそった話にするとかする必要がある。まして怪獣の特徴が過去の物と比べて完全に間違ってるなんてのは、言語道断ではないだろうか。

 旧ウルトラシリーズのスタッフは、この程度のことすら全くやっていないと思う。だから怪獣の特殊能力なども、過去のものとは全く統一性が失われてしまうのだ(だってぜットンが一兆度の火の玉吐かないで単なるバリア怪獣なんだぜ。キングジョーの無敵の装甲もどっかにいっちゃったしさ)。ここまで旧ウルトラシリーズのスタッフにやる気が無い以上、彼らを無理に引っ張り出すことこそ(本人にとっても視聴者にとっても)迷惑な話であって、作品の水準を引き上げることには絶対に繋がらないことは断言して差し支えないと考える。

 現在放映中のメビウスに関しては、過去のウルトラ兄弟とリンケージを取っていることもあって、過去のウルトラシリーズを、<<大変良く勉強している>>シリーズとなっている。過去の怪獣をリバイバルで登場させて人気を取ろうと考えるなら最低でもこの位は気を使うのが当然であって、過去の名怪獣の名前と姿だけ借りてます、というやり方は、視聴者を舐めていると言わざるを得ないだろう。メビウスに関しては今後も旧ウルトラシリーズのスタッフの<名前>などにすがることなく、今までの勉強の成果を存分に生かしたドラマ作りを続けていってもらいたい。

 さてシルバー仮面なのだが、円谷プロダクションが旧ウルトラシリーズのスタッフに引導を渡したのは、実はこの時が初めてだったのではないだろうか。当時、給料の高騰によって番組制作に支障をきたすと判断した(と、言われている)円谷プロは、旧ウルトラシリーズのメインスタッフを全員解雇、フリー扱いにした。そうした新体制で円谷プロが製作した作品の第一弾が「ミラーマン」であった。何の因果か、旧ウルトラシリーズのスタッフは、この「ミラーマン」に対して、自分達が作った特撮ヒーロードラマ「シルバー仮面」を裏番組としてぶつけると言う英断を下す。こうしてウルトラ新旧スタッフによる、仁義無き戦いが始まったのであった。

 結果は・・・、シルバー仮面の圧敗(笑)。当初等身大ヒーローだったシルバー仮面を、視聴率のてこ入れのため巨大化させたりもしたのだが、全然駄目(泣)。筆者も今回始めてシルバー仮面を何話か見てみたのだが、とにかく子供向けに作ろうという意図が全く感じられない内容でびっくり。(恐らく)当時の青春ドラマをベースに、全共闘的な反権力とか、差別問題とかを語ってみたかったんだろうと思うのだが、<面白いものを作ろう>という方向性が全く見えないのだから、そりゃあみんな「ミラーマン」を見るよね。逆に言うと、旧ウルトラシリーズのスタッフに完全に舵取りを任せるとこんなものができちゃうということが円谷プロダクションには判っていたからこそ、彼らを解雇したという理屈も成り立つかもしれない。

 つまり1970年代初頭の段階で、すでに旧ウルトラシリーズのスタッフに「ウルトラマン」を任せることはできないという結論は、すでに出ていたのではないだろうか。従って旧ウルトラシリーズに憧憬を持つ現在のスタッフが、現代のウルトラマンを彼らに任せてみたとしても、結局面白いものが出来てこないというのは、少なくとも「シルバー仮面」を見ている限り当然のような気がしてならない。これでせめて昔自分達が作ったものをもう一度見直して勉強でもしていてくれればまだ救いもあったと思うんだけど、そういった所も全く感じられないし。皆様も、これからシルバー仮面を見てみれば、旧ウルトラシリーズのスタッフに対する幻想が少しは解消できるかもしれません。

 さて本日の教訓は、「思い出は限りなく美しいけど、それにすがって生きるようになっちゃおしめえよ」ってなところで。

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