« My最新ドラマ感想文:「ニュータイプ 恋する日曜日」(2006年・日本) | トップページ | My最新ドラマ感想文:「ドクター・フー」(2005年・英国) »

My最新映画感想文:「セーラー服と機関銃・完璧版」(1982年・日本)

 CSにて視聴。究極完全ネタばれ。でも今更気にする人いるかな。

 どこが最新なんだという気は、筆者本人もひしひしと感じておりますが(笑)、なんせ公開当時はアイドルになんてなんの関心も無かったんで今回初めて視聴したものですから。しかし巷でアイドル映画の金字塔として名高い本作が、まさかこんな物凄い(別にほめてません)内容だったとは、人間好奇心はいつまでも失ってはいけないんだなあと、しみじみ思いました。これを当時見たお客さんは、当時何も疑問を持たなかったのかな??(もちろん薬師丸さえ出てれば、万事OKだったんですよね!!)。

 話はころっと変わりますが、筆者がファンであるところの「携帯刑事シリーズ」は作品によってかなり印象の異なる作品です。「愛」「泪」の二人は比較的ウエットな性格なんだけど、「舞」「零」「雷」の3人は物凄くクールな印象を受けます。設定的にそんな必然性は無い筈なのに何故だろうと思っていたのですが、要するに役者さんのキャリアの問題なんだということに、最近思い至りました。つまり役者さんが上手いと色々な表情が出せるんだけど、キャリアが浅いとどうしても表情が硬くなり言葉もつっけんどんになって、きつい性格に見られがちだと言う事です。ちなみに「舞」の堀北と「零」の夏穂はこれが始めての演技だったようなので、それもまたむべなるかなという気がします。

 というわけで本作主演の薬師丸ひろこですが、これがまた究極のクールビューティー(笑)。恐らく薬師丸の地の性格も相当影響してるとは思うのですが、薬師丸が演じる所の主人公星泉は「物事に動じないこと山の如し」「気が強いを通り越して、明らかに自殺志願者」「学習能力ゼロ」、加えて間違いなく「異常人格者(詳細は後述します)」と、常人の感情移入を一歩も許さない鉄壁のガードです。・・・まあこういったところが薬師丸の(常人とは明らかに異なっているという意味での)神秘性を高めているという考え方もあるのだろうけど、一歩間違えれば視聴者の感情移入を全く得られない究極のクソ映画になる可能性もあったわけで、何が災いで何が福なのかは本当に微妙なところにあるんだなということを、つくづく考えさせられました。

 筆者はこの映画を見たことは無かったのですが、実は赤川次郎の小説版だけは読んでいて(内容はほとんど覚えていませんが)、ストーリーは大体把握している筈でした。・・・おかしいなあ、こんな殺伐とした話だったっけ?。ストーリーは平凡(まあ薬師丸が演じると、到底平凡なんて代物じゃないんだけど)な女子高生がひょんなことから弱小ヤクザの跡目を継いで、殺された子分の敵討ちをしようとする話、というのが本筋でしょうね。ものの本とか見てると「父親の死の謎を解こうとする話」とか書いてるけど、泉は作中では全然そんなこと考えてないし。たまたま死にかけた悪役が全てを告白して死んでいっただけで(笑)(そうでなければ、父親の死の真相は闇の中でした)。

 物語は、いきなり交通事故で死んだ父親の葬儀から始まり、涙一つ見せずに級友に「私はパパの娘であり母であり妻でもあったのです!」などど不穏当は発言をして、後の展開に暗雲を立ち込めさせていきます。しかし泉は何事にも動じないね!。交通事故で死んだ父親が実は麻薬の運び屋だと知らされようが、実は父親は殺されたんだと知らされようが、父親に愛人が居たと知らされようが、マンションの部屋が泥棒に荒らされようが、校門でヤクザが自分を待っていようが、そのままヤクザに車に連れ込まれて誘拐されようが、ヤクザの跡目を継がされようが、びくともしません。流石だぜ、薬師丸!。

 そして泉は、子分(四人中一人目)が謎の死を遂げるや、一人で犯人と思われる大物ヤクザの事務所に乗り込んで(当然ながら)リンチを受けてクレーンに吊り下げられて生コンに叩き込まれます。子分の機転で九死に一生を得ますが、今度はヤクザのエロ親父の所へ(子分が止めるのも聞かず)一人で食事に出かけて薬飲まされて強姦されかけますが、今度は父親の元愛人が体を張ってくれたおかげで何とか無事脱出します。ついでに今回の恩人である父親の元愛人のことは、この後ころっと忘れてしまいます。・・・この頃になると、もはや早死にしたいだけなのか学習能力が根本的に欠落しているのか(多分その両方なんだと思う)、良く判らなくなりますが。

 もちろん泉は、ライバルのヤクザに拳銃突きつけられて道案内させられようがもちろん全く動じません。それどころか拳銃を突きつけられた状態でも子分の(多分)若頭が父親の元愛人とSEXしているのを見て「不潔・・・」とか、そんなことしか頭に浮かんできません。・・・まだ異常人格者と決め付けてはまずいですか?。その後さらにもう一人子分が殺されて(四人中二人目)、三国連太郎「役名”ふとっちょ”」がボスを務めるヤクザの本部に連行されるのですが、この組織がまた凄い代物。若い僧侶を機関銃を持たせて戦闘員のように侍らせて、自分は両足が無いので車椅子に乗ってます。三国いわく、「この両足はね、自分で地雷で吹き飛ばしたんだ。私は地雷の上に3日間載っていた。この生と死の狭間にあるもの、それが<<快感>>というものなんだ・・・」と泉に説教します。三国が完全に変態なのは間違いないでしょ?(ここ!、覚えて置くように!!)。

 で、三国の趣味は”美少女の解剖”(笑)。これが文字通りの意味で、自分で医者のかっこをすると、足を生やして(さっきの地雷の話は三国のついた嘘でした(泣))、泉をメスで(文字通り!)解剖しようとするのですが、まあ悪の組織の最後なんて所詮(笑)。しかしこの三国率いるヤクザ「三大寺組」は建物の雰囲気といい、「ヘロインを使って何百万人もの人々が苦しんでいるのを見て楽しみたいだけ」というスローガンといい、ボスや戦闘員の風貌といい、明らかにショッカー(筆者的には「しねしね団」と言ってしまえば、そのものズバリなんですが)そのもの(爆)。いや、スケバン刑事の敵役というべきでしょうか(注:全て東映が製作に絡んでいます)。さしずめ泉は「スケバン刑事ゼロ号」というところでしょうか。いやヤクザの組長なんだから、スケバンなんかよりはるかに各上だよね。さしずめ「スケ長」とでも言う所でしょうか(笑)

 この時の泉の言動も、常軌を逸してます。部下一号を拷問死させた悪徳刑事が、前述のヤクザのエロ親父に襲われて瀕死の状態で泉に電話してくると、「死んじゃだめ!」とか奇麗事を言って励まします。・・・もう脚本家もストーリーが把握しきれなくなっているのかもしれません。その後ついに本作のクライマックス、全ての元凶のヘロインを破壊(笑)するため、泉は残された部下二人と共にヤクザのエロ親父の所へ襲撃を掛けます、機関銃(まあSMGなんだけど)を持って!!。

 ここで泉は機関銃をヘロインに向かってぶっ放しながら、かの有名な「カ・イ・カ・ン・・・」というフレーズを口にするのですが、果たしてこの映画を見た人で、どれだけこのフレーズの意味を理解できたのか、大変心配です。泉は磔にされたり手術台で解剖されそうになりながら、三国に<快感>の意味を講義された結果、マゾ変態に洗脳されてしまったのです(だってそうとしか解釈できないでしょ???)。だから生と死の狭間にある、ヤクザへの殴りこみ、そして機関銃発射という行為に対して「快感」を感じてしまったわけです。OKでしょうか?。余談ながら、ヤクザの組から脱出する際、部下三号が殺されて、一人殺し返しているのですが、その後警察にどう言い訳したのか大変心配です。

 その後も泉の暴走は止まりません。殴りこみの最中部下三号まで殺されて、ついに部下が若頭一人になったちゃったんで組を解散することにしたのですが、そのシーンもシュールとしか言いようがありません。三号の死体を持って帰って事務所の屋上に転がすと、その脇で事務所の看板を焼いて解散式をします。(繰り返しになるけど)警察への言い訳はどうしたんでしょうね。それともシカト?(死体は東京湾?)。

 それから数ヵ月後、堅気になる言って去った若頭と、死体安置所でご対面。堅気にはなったものの関係無いヤクザの喧嘩に巻き込まれて死んだとか。ここで泉は、若頭の死体にキスしてあげます。多分泉はこの若頭に淡い恋心を抱いていたとは思うのですが、ここで涙一つ見せずに死体にキスしてあげるというのは、人が1000人いたとしてその内の何人位に可能な行為なんでしょうか?。まあ人の死に慣れすぎたのかもしれないけど、なんか泉が他人の死に際して動揺してたのは、部下一号を拷問死させた悪徳警官が死に掛けた時だけだったような気がするんですが・・(顔を見せずに声だけの演技だったせいか?)・。

 そして映画のラストに泉のモノローグが流れます。「生まれて初めての口付けを中年のおじんにあげてしまいました。あたくし、愚かな女になりそうです。マル♪」。・・・ちげーだろ!。あんたが愚かなのは口付けがどーのこーのという問題じゃなくて、ヤクザの組に銃等機不法所持で殴りこみをかけた上、人まで殺しちゃって殺人犯(正確には若頭が殺してるんで殺人教唆か?)になっちゃったからだろ!!。その上ヤクザのエロ親父のヘロインぶっ壊して、そのまま生かしたまま帰ってきちゃったんだから、いつお礼参りに来るか判ったもんじゃねえじゃねえか、この馬鹿女!!!。・・・本当に泉は学習能力無いよなあ(泣)。(←多分泉は、映画のラストシーン直後、ヤクザのお礼参りで殺されたと思います)

 本作の監督は、撮影中、「精神棒」という木の棒で演技に失敗する度に薬師丸を殴りまくったんだとか。さらに本作の脚本家のフィルモグラフィーを見てみたんだけど、本作以外に筆者が知っているのは(あの悪名高い)劇場版「めぞん一刻」くらいで、後はエロ変態映画ばっか。本作に関しては、その辺りにも(非常に大きな)問題があったような気がします。ついでに本来の本作の主題歌のタイトルを、「夢の続き」から「セーラー服と機関銃」に角川春樹が勝手にタイトル変更したとして作詞家との間で大問題になったということだけど、「さよならは別れの言葉じゃなくて~、再び合うまでの遠い約束~」という歌の歌詞も本作の内容とは完全にかけ離れ過ぎていて、歌詞を全面的に書き直したほうがマシな位の惨状です!。

 今日の教訓は自信を持って言い切れるね!。すなわち、「ファン向けに作られたアイドル映画は、ファン以外には絶対に見せてはいけません!!」。決まりっ!。

|

« My最新ドラマ感想文:「ニュータイプ 恋する日曜日」(2006年・日本) | トップページ | My最新ドラマ感想文:「ドクター・フー」(2005年・英国) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

はじめまして

 今度のドラマは見たけれど、映画の方は見ていません。他で読んだあらすじと違うけれど、いろいろなバージョンがあるのかな。
 まあ、原作をずたずたにしたようですね。原作を読んでなかったらぜひ正続2冊読んでみて下さい。映画とはだいぶ違うようだから。星泉ももっとかっこいい。
 映画も見てみようかなとも思ったけれど、がっかりするだけかな。

投稿: ken | 2006.12.11 21:21

 コメントありがとうございました。このレビューは映画視聴直後に書いた物なので、あらすじでは大まかな所では、そんなに違っている所は無い筈です。受け取り方には大きく問題あるかもしれませんが(笑)
 
 「他で読んだあらすじと違う」に関しては、・・・どうなんでしょうね?。通常版と完璧版は若干違うのでしょうか。過去のテレビ版もきっと少し違った話なんでしょうね。

 もしこの完璧版を見る機会があったら、ぜひ感想を聞かせて下さい。「ここが違ってるじゃねーか」という容赦の無い突っ込みも大歓迎です(笑)。小説版も機会があったら読んでみます。

投稿: 少年王3号 | 2006.12.16 12:13

 完璧版を見ました。レビューは正確でした。つっこみも鋭い。
 81年版と完璧版、旧ドラマと今年のドラマ、それぞれ違うのでしょうね。
 今回のテレビ版より、原作に近いですね。でも、組長はずいぶん無鉄砲になっている。
 原作では松の木組に乗り込む前に調べたり、あらかじめ人質を取っておいたし、ちゃんと情報を引き出して帰ってきた。父の死の真相は、泉自身が「犯人」(といっても事故ですが)から聞いている。ヘロインは、泉の友達の3人組が突き止める。最後の機関銃ももっとスマートでした。
 続編では、エロ親分と不本意ながら協力して活躍ですよ。
 
 

投稿: ken | 2006.12.31 13:06

>完璧版を見ました。レビューは正確でした。つっこみも鋭い。

ありがとうございます。何よりの褒め言葉です!。

>81年版と完璧版、旧ドラマと今年のドラマ、それぞれ違うのでしょうね。

多分そうなんでしょうね。でもこの完璧版に関しては、ネットで見つけたあらすじの中には、相当間違っている物もあるように感じました。

>今回のテレビ版より、原作に近いですね。>でも、組長はずいぶん無鉄砲になっている。
>原作では松の木組に乗り込む前に調べたり、あらかじめ人質を取っておいたし、ちゃんと情報を引き出して帰ってきた。
>父の死の真相は、泉自身が「犯人」(といっても事故ですが)から聞いている。
>ヘロインは、泉の友達の3人組が突き止める。最後の機関銃ももっとスマートでした。

・・・やっぱり完璧版の薬師丸演じる星泉には、相当問題があるようですね(要するに脚本が大問題ということですが)。

>続編では、エロ親分と不本意ながら協力して活躍ですよ。

仮に本作の続編をこの完璧版のキャストで作ったとしたら、どうがんばっても薬師丸があのエロ親父と共闘というのは考えられないですよね(お互い死人が出てるし)。どうなったんだろ?。ぜひ機会があったら、小説版の続編も読んでみますね~。

投稿: 少年王3号 | 2007.01.13 23:39

でもレビュー面白くないよ。レビューってよりこんな風に分かっちゃう俺エライって酔ってる感じで嫌悪感しか感じませんでした。

投稿: | 2013.08.31 09:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« My最新ドラマ感想文:「ニュータイプ 恋する日曜日」(2006年・日本) | トップページ | My最新ドラマ感想文:「ドクター・フー」(2005年・英国) »