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My最新特撮感想文:「レインボーマン」(ドラマ編)(1972年)

 現在CSにて放送中。完全ネタばれ。ただしこれから見始める人には関係ないかも。

 レインボーマンは、恐らく仮面ライダーの成功を受けて作られたエクスプロイテーション(つまりパクリ)企画の一つではないでしょうか。しかしまだ仮面ライダーの放映から日が経っていなかったために、仮面ライダーの成功要因の分析がきちんと行うことができなかったため、ここまで「他に類を見ない」作品になってしまったと言えるでしょう。もちろん構成が伊東恒久だったことも、非常に重要な要因です。伊東恒久と言えば、後にアニメ「超高速ガルビオン」を超高速で打ち切りに追いやったり、「超時空要塞マクロス」の前の枠でアニメ版「レインボーマン」を始めて全てのリアルロボットファンの顰蹙を買ったり、前半ハードSFだった「蒼き流星レイズナー」を後半北斗の拳もどきに改造して高橋良輔リアルロボット路線を終焉させたり、バンダイが劇場版を成功させてそのままテレビシリーズに繋げようとした「機動戦士ガンダムF91」を不人気のあまり劇場版のみで葬ったりと、後にアニメ界で大活躍する脚本家ですね!。・・・とにかく「他に類を見ない」作品を書く(これはけっこう重要なことだと考えてはいますが)脚本家だとは言えるでしょう。

 さてレインボーマンですが、いきなり印パ紛争下のインドに、主人公ヤマトタケシがプロレス修行に行くところから物語りは始まります。開始5分のプロットですが、すでに訳が判りませんね?。タケシは妹の交通事故による足の後遺症を治す金を稼ぐため、高校を中退して(顔はどう見ても25過ぎのおっさんなんだけど)、雑誌で読んだインドの仙人「ダイバダッタ」に弟子入りして修行してプロレスラーになろうとしたのです。もっと訳が判らなくなりましたか?。判らないのは筆者も同じです。これだけでも突っ込み所が満載過ぎて、流石は伊東恒久とうなるしかない展開ですが、それは今後もず~っと続くことなので、突っ込みは最小限にしようと思います。でないと話が進まないので。ここでは「インドの狂虎」タイガージェットシン(実は良識あるカナダ人であることが判明)の登場前にインドとプロレスを絡めて考えるなんて斬新だなあ、というに留めます(もしかしたらシンのサーベルは、レインボーマンの太陽の剣からパクったのでは、なんて考えるととてもファンタスティックですよね!)。

 レインボーマン自体も、(良く言えば)とてもインターナショナルな存在です。ダイバダッタは(確か)ヒンズー教の僧でインド人だと思うのですが、レインボーマンという言葉は英語で(ダイバダッタもこう発音する)、ダッシュセブンの姿はどう見てもアラビアのターバン姿で、その色の赤と白は日本そのものであり変身前のヤマトタケシはこれ以上無いというほど日本を象徴する名前・・・。もはや何者なのか、見当もつきません。唯一つ言える事は、仮にレインボーマンがプロレスをやったとしても、遠距離武器(と反則攻撃の太陽の剣)しか能力が無い以上、ほとんどヤマトタケシの自力で戦うしかないということでしょう。そのことは黒人レスラーとの金網デスマッチでも実証されています。本来の意義からすれば、ヤマトタケシの修行は完全に無意味であり、ダイバダッタに「嵌められた」とすら言えるかも知れません。まあ日本に帰ってからのレインボーマンは「死ね死ね団」と戦うのに精一杯で、そのことに気づかなかったのは、むしろ幸いでした。米国のスパイダーマンなんかは、最初の頃は、プロレスラーとかやって小遣い稼ぎとかやってたのにねえ(笑)。

 ストーリーの展開も独特です。「死ね死ね団」は基本的に生身の人間による秘密結社なのですが、その作戦の「的確」さは特撮ヒーロー物随一とも言われています。飲むと発狂する薬をばらまく「キャッツアイ作戦」、偽札をばら撒いてハイパーインフレを誘発する「M作戦」、産油国の重要人物をすり替えて日本に石油が入ってこないようにする、東京を爆弾で半径200km吹き飛ばす、東京を津波で全滅させる、など仮面ライダーの「ショッカー」による”幼稚園バス乗っ取り作戦”などとは一線を画すものばかりです。こうした「的確」すぎる死ね死ね団の攻撃に対して、レインボーマンは「無手勝流」で迎え撃ちます。レインボーマンの正体は2話でばれてしまい(だから死ね死ね団はレインボーマンのことを「くそ、ヤマトタケシめ!」と本名で呼びます)、弱点である変身後の6時間のヨガの眠りのことも3話(あたりだったかな)でバレ、家族と住所も友人関係も5話(くらいかな)にはモロバレになります。ついでにタケシの父親は(これは偶然でしょうが)死ね死ね団に10年間捕らえられたままです。ここまで情報戦でも負けてしまうともう勝負にならないのが普通ですが、実際タケシの家の町内に死ね死ね団のアジトが作られ、死ね死ね団の団員が頻繁にタケシの家に上がりこむというという状況で、一体どう戦えばよいのでしょうか(笑)。ただでさえ弱い(バトル編参照)レインボーマンなのに、このビハインドは、もはや尋常ではないと言わざるを得ません。流石だぜ、伊東恒久!

 流石に反省したのか、後半レインボーマンはパワーアップを果たし、分身の術を使って相手を集団リンチする戦い方に変更します。これを卑怯と言う無かれ。あなただって生身で拳銃持った奴と戦わなくてはならないとなったら、仲間を呼んでこようと思うでしょ?。まさに自然の流れです。こうなるとレインボーマンの遠距離攻撃能力が一気に役に立つものへと変わります。例えば距離の概念のあるゲームで、全てのユニットを近距離戦闘用で組むということはあまり得策ではありませんね。やはり近距離戦闘用ユニットを盾役にして前に出し、遠距離攻撃用ユニットで狙撃する、というのは基本中の基本といえます。仮に仮面ライダーが分身できるようになったとしてもそれぞれがバラバラに戦うしかないわけですが、レインボーマンが分身すればより戦略的な戦いが可能となります。やったぜ、伊東恒久!。

 こうして人気を得たレインボーマンは、スタッフそのままに(もちろん伊東恒久も続投)、「ダイヤモンドアイ」「コンドールマン」と連綿と作られていくことになります。確かにこの2作品も伊東恒久らしい、他に類を見ない奇天烈な作品に仕上がっているのですが、残念ながら仮面ライダーの遺伝子が入り込んでしまい、レインボーマンほどまでの異質さは持っていません。いつも眉間に縦皺を寄せ、腰が引けて逃げ回るレインボーマンの勇姿は、他には無い貴重なものと言えるでしょう。筆者が現在視聴しているレインボーマンは、第4部サイボーグ編の中盤、パワーアップの一歩手前です。逆に弱わ弱わのレインボーマンを見られる最後の機会でもあります。さあみんなでレインボーマンを応援しよう、ビバ・レインボーマン!!。・・・これでアニメ版「レインボーマン」が無けりゃねえ・・・

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