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My特撮感想文:「妖獣都市~香港魔界編」(1992年)(香港)

9月7日、CSにて放送。ネタばれあり。

 「原作付き作品」の扱いに関しては、お国柄というものがあります。日本人にとっては、アニメにせよ映画にせよ、原作のイメージを壊さないように、ということが至上命題となります。しかしこれが世界基準では無い、という意識を皆様は持っていらっしゃるでしょうか。例えば米国では、アニメの大半は有名な映画のビフォアーストーリー、アフターストーリー、アナザーストーリーの形態を取る事が大半で、原作のイメージを大切に、などと言うスタンスは(少なくとも筆者には)欠片も感じられません。米国版「GOZZIRA」のアニメ版は、当然のように死んだゴジラの2代目が主人公で、青年とテレパシーで繋がっており、危険が迫るとどこにでも助けに現れる、などというストーリーのどこに「原作のイメージを大切に」などという侘び寂を感じ取ればよいのでしょうか??。

 また香港人の「原作付き作品」に対する扱いですが、ズバリ、「何も考えていない」という一言に尽きるでしょう。原作などというものは、客寄せパンダの看板に過ぎず、後はこっちで好きにやるから、というスタンスが見え見えです。少なくとも筆者が過去に見た、「シティハンター」「北斗の拳」「ストリートファイター2」といった映画作品には、原作を尊重する気持ちの片鱗すら感じ取ることができませんでした(泣)。

 というわけで、本作「妖獣都市」は菊地秀行の小説が原作です。本作は、小説「魔界都市新宿」(デビュー作です)の初版を読んで以来の菊地秀行ファンである筆者の目から見ても、文句無しの原作完全無視です(笑)。一応主人公らの名前は原作のまま(日本人)なのですが、会話は全て英語なので、台湾人にはどう聞こえているのかとても不思議な感じです。舞台は3分だけ東京で、あとはず~っと香港だし、名前も香港人の名前の方が自然なのではないでしょうか?。だって香港本部に所属している妖獣ハンターである、「闇ガード」の組織の構成員が、、みんな日本人名なのって、まずくないですか?。それとも香港も日本に併合されたという暗い過去を背負っているのでしょうか(笑)。でも英語を話していることを考えれば、アメリカに併合された日本が、香港を併合したのかな?。ま、深くは追求しないと言うことで。

 本作の白眉は、黒澤明監督作品で何度も主役を張った名優、仲代達也が妖獣役で出演していることでしょう。仲代達也が香港の女優さんとすっぱだかで電線の上でぴょんぴょん跳ねたり(妖獣は電気をエネルギーにできる。むろん原作にそんなシーンは無い)、すっぱだかで貼り付けにされて解剖されそうになったり、顔に妖獣の特殊メイクをして空飛ぶジャンボジェット機の機頭に腕組みして仁王立ちして(やっぱりすっぱだかで)敵に説教する所などは、・・・黒澤明ファンとしては涙なくしては見られないかも。

 そんな本作の最大の問題は、菊地秀行先生の掲げる本作のテーマが、香港人には全く伝わっていないこと。原作は人間と妖獣が種の違いを乗り越えて、共存していく道を探るという、非常に深いテーマを持っています。一方映画版のスタッフの出した答えは、「人間が妖獣と上手くなんて、やっていけるわけ無いじゃん!」という、実もふたも無い物。特に妖獣(どうも日本人をイメージしている感じがします)側から、”人間と上手くやっていきたい”というサインを出しまくりなのに、妖獣を裏切りまくり、差別し、殺しまくる中国人達を見ていると、「やっぱり中国人って、こういう人たちなんだ」という気持ちにさせられて、とてもダウナーです。妖獣(=日本人)と人間のハーフを、人間達がいじめ殺しちゃう所なんて、とても正視できないものが・・・。

 やっぱ、映画には、その国のお国柄が色濃く出ますよね~

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コメント

日本もあんまり原作のイメージを大切にしていないような気もしますが・・・
レオパル丼が居る、スパイダーマンとか、TFの全てをぶちこわしたヘッドマスターズとか・・・
(観ていないので評価は避けますが、パワパフZとかry)

うーん。
他国の原作ものの場合、ある程度のローカライズは避けられないような気もします。
まあ、他国の文化というか、精神構造を知るには、同じ原作をローカライズしたものを観て、どのように変わったのか分析することは、あるいはその国の文化を知る上で、有効な手段といえるかもしれません。

なお、細かな話ですが、ちと突っ込みを。

香港は1997年までイギリス領です。
だから会話が英語というのも、まあ許容範囲だと思います。

それから、一応香港は日本が占領していた時期もあります。

取り敢えず、なんか書くときは、ちょっと調べ物をした方が良いと思います。(特にこのような微妙な問題の場合、出鱈目を書くと炎上しかねないので・・・ホントお願いします、いやマジで)

(ちなみに香港の歴史のWiki↓)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E6%B8%AF%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

あと台湾と香港を混同しているのは、どうかと思いますが・・・(単純ミス?)。

投稿: 一伽貝 | 2006.09.22 00:21

書き込みありがとうございました。

>日本もあんまり原作のイメージを大切にしていないような気もしますが・・・
>レオパル丼が居る、スパイダーマンとか、TFの全てをぶちこわしたヘッドマスターズとか・・・
>(観ていないので評価は避けますが、パワパフZとかry)
例外はいっぱいありますね~

筆者の論によれば、スパイダーマンは原作無視の香港型の作品だし、ヘッドマスターズはアフターストーリーなので米国型の作品ということになりますね。
米国のアニメの所には「大半」、香港の映画の所には「少なくとも筆者が見た」という言葉を用いているけど、日本のアニメの所には「大半」という言葉が抜けてるかもしれませんね。まあ例外はあるんで、大まかな所で見てもらえるとありがたいのですが・・・(笑)(←駄目?)

>香港は1997年までイギリス領です。
>だから会話が英語というのも、まあ許容範囲だと思います。
>それから、一応香港は日本が占領していた時期もあります。
香港製の映画なんだから、母国語なので英語は当然ですね。
ただ登場人物が(ほぼ)全員日本名(おそらく日本人)なのに、明らかに日本語が読めなくて書けなくて話せなさそうなので(笑)、ちょっとだけ考察してみました(ロストメモリーズの文章を書いた直後だったこともあって)。
だって日本映画で、全員日本人で日本語しかしゃべらないのに、名前だけが全員「マイケル」とか「アン」とかいうカタカナ名ばかりだとすると、違和感無いですか?(笑)

>あと台湾と香港を混同しているのは、どうかと思いますが・・・(単純ミス?)
すいません、単純ミスです(泣)。直しておきます。
ちなみに後半、香港人を中国人に置き換えてるのは意図的ですが(笑)。

投稿: 少年王3号 | 2006.09.23 09:45

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