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アニメ脚本家烈伝:<弐の巻>〝スーパーヒットメイカー”星山博之 その七

「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」(1991年)

 まず次のシノプシスを見て欲しい。

 主人公はミドルティーンのメカ好きの少年。少年の父親は天才技術者であり、画期的なメカニックを開発している。このメカニックには強力なコンピュータが搭載されており、これもまた他のメカニックを凌駕する一因となっている。ちなみに母親とは一緒に暮らしていないため主人公には少しナイーブな所がある。主人公の恋人は主人公より年上の美少女であり、医師を志している。気は強い方で、主人公を積極的にサポートすることも多い。恋人の家系は良家であり、作品の根幹を成す組織の創設者である。恋人の兄は天才パイロットであり、主人公と敵対する組織に属している。主人公とはライバル関係にあり、赤いメカニックに乗り仮面をかぶって正体を隠している。主人公の仲間には常に斜に構えて皮肉ばかり言っている年上の少年、体が大きく包容力があり主人公を庇ってくれるが途中で物語から離脱してしまう少年などがいる。

 物語の第一話は、父親と別居同然で父親が何を作っているのか知らなかった主人公が、敵対組織が父親が作ったメカニックを奪いに来たことによって父親が何を作っていたかを知る。また主人公が父親の作ったメカニックを操ることによって、連射兵器を打ちまくって襲ってくる敵組織のメカを撃退しメカニックを守りきる。その後主人公の少年は父親の作ったメカニックと共に父親が属していた組織に参加し、ライバル組織と激闘を繰り広げていくのであった・・・。

 どうだろうか。何を回りくどいこと言ってる、これってサイバーフォーミュラのことだろ、と思われるかもしれない。確かにそれはそうなのだが、このシノプシスを「機動戦士ガンダム」の事だと思ってもう一度読み直して見て欲しい。・・・同じでしょ?。つまり本作は星山先生が確信犯的に自作ガンダムをパクッた作品であり(星山第五法則)、ガンダムと同一ターゲットに対して発信した作品に他ならない。特にキャラクターの配置はガンダムとほぼ完全に同一であり、今で言う「キャラ萌え」系腐女子をメインターゲットに作られたのはほぼ間違いないと思われる。これがまたズバリとはまるのだから、やはり星山先生は只者ではない。ガンダムが好きで、サイバーフォーミュラが好きで、レッツ&ゴー(後に作られるガンダムコピーの作品)が好きという人は、きれいに星山先生にはめられていると言えるかも知れない(笑)。

 本作の成功に関しても、今更言うべきことはないと思う。この後数年間OVAが山ほど作られ、小説が山ほど書かれ、ゲームも山ほど作られらた。もう一つ特筆すべきことは、本作のスタッフからもう一つの「ガンダム」が生まれたことであろう。言うまでも無いことだが、本作の監督である福田巳津央と、本作でデビューした脚本家の両澤千晶は、この後「機動戦士ガンダムSEED」を立ち上げる事になる。筆者的に言えばこのことはもちろん偶然等ではなく、星山先生から本作においてガンダムの作り方を教わった二人が、星山先生のファーストガンダムをパクリまくって作り上げたのがSEEDということになる。逆にこのこともまた本作が、ガンダムのリメイクだという、良い証左と言えるのではないだろうか。

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