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「機動武闘伝Gガンダム(二話以降)」(1994年)

アニメ脚本家烈伝:<壱の巻>〝ロボットアニメの職人”五武冬史(鈴木良武) その十二

 前回の続き。第一話の出来を見た今川監督によって、五武先生はGガンダムに大幅な軌道修正を行うことになる。つまりGガンダムは、第一話と第二話以降では、全く異なった話なのだということを理解していただきたい。以下判り易い所で異なっている点を列記しておく。

第一話:ドモンは復讐命の、冷血漢である
二話以降:ドモンは何かと言うと泣き叫ぶ、熱血漢である

第一話:キングオブハートとは、コロニー格闘技のチャンピオンの称号である
二話以降:キングオブハートとは、シャッフル同盟の一員の名前である

第一話:地球人は、非差別的な2級市民であり、コロニーの人々は彼らが生きようが死のうが全く気にしていない
二話以降:地球とコロニーの関係が、非常にあいまいである

第一話:レインはコンパクト型バリアで、ガンダムのバルカン砲を跳ね返している
二話以降・レインはコンパクト型バリアを、二度と使わない

第一話:ドモンは飛んできた複数のライフル弾を、素手で掴み取っている
二話以降:ドモンはこうした超人的な技は使わなくなる

第一話:シャイニングガンダムは、スモーク手榴弾を使ったりして、賢い戦い方をしている
二話以降:ドモンがすっかり頭が悪くなってしまったのか、ひたすら力押しをするようになる

 設定自体は大きく書き直されていると思うのだが、なんせGガンダム(第一話)は一話しかないんで・・・。まあ有体に言ってしまえば、Gガンダム(二話以降)は、当時流行ってた「ストリートファイターⅡ」のガンダム版として作られている。"強いやつに、会いに行く”話なのだ。そして5人の戦士(と五台のガンダムが)が離合集散を繰り返しながら、やがて協力していくことになる・・・。そしてこれが肝なのだが、五武先生はこのGガンダム(二話以降)に、アイアンリーガーで培ったノウハウを、全て投入している。すなわち「仲間を集めて、巨悪と戦う」「全員が判り易い必殺技を持っている」「最初は負け続けて、最後に勝つ」といったことである。もし五武先生が、アイアンリーガーを作っていなかったら、おそらくこうした気恥ずかしいコンセプトは取り入れられなかったのではないだろうか。もはやちっとも"リアルロボット”では無くなってしまったが(この点も0083が無ければ、吹っ切る事ができなかったかもしれない)、もはや五武先生には、そうしたこだわりは全て無くなっていたのではないだろうか。こうした"判り易さ”が受け入れられて、Gガンダム(二話以降)は、今までアピールできなかった若年層を中心にブレイクしていく事になる。

 そして五武先生自身、思ってもいなかった事だと思うのだが、このGガンダム(二話以降)は、結果としてファーストガンダムに”勝つ”作品となったのだ。放映作品数で言えば、ファーストのコンセプトを引き継ぐ作品は、ゼータ、ダブルゼータ、Vの三本(ターンAを入れると、四本なんだけど・・・)。一方Gのコンセプトを引き継ぐ作品は、W、X、SEED、SEEDD、(SEEDの次回作をいれると五本)の四本。またおもちゃの売れ行きも、放映中のおもちゃの売れ行きに関しては、Gは過去のシリーズでトップの売れ行きを示す(当時)。もはやガンダムと言えば、富野系ガンダムを指すのではなく、五武系ガンダム(2005年現在に関して言えば、SEED系のことなんだけど(笑))を指す時代がやってきたのだ!。五武先生は、思わぬ形(だって第一話で路線変更してるんだもん)でガンダムとの20年戦争に打ち勝つ事になった。しかし五武先生にとってこの勝利は、もはやどうでも良いものになっていたかもしれない。むしろ五武先生が真に戦わなければならないものの影が、ついそこまで迫っていようとは思ってもいなかった事だろう。その作品の名は・・・「新世紀エヴァンゲリオン」!!。五武先生の、最後の戦いが、今、始まろうとしていた・・・

 蛇足ながら一つだけ。五武の「五」は5台のガンダムを指し、五武の「武」は武闘伝の武を指す、というのは考え過ぎだろうか。もしこの作品に五武先生が自分の名前を織り込んでいたとしたら、とても素敵な話なんだけど。

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