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My最新アニメ感想文:「鋼の錬金術師」

<最終回:2004年製作:TBS>
 
 「人は何かを得るためには同等の代価が必要となる。等価交換の原則だ。あのころの僕たちはそれが世界の真実だと信じていた・・・」。釘宮理絵のこのフレーズから始まるこの物語は、間違いなくシリーズ構成を務めた会川昇の、完成度・人気のどちらをとっても最高傑作と言えるでしょう。

 私は第一話のこのフレーズを聞いた時点で、最終回に対してあるイメージを持っていました。それは、この物語は間違いなく破局へ向かって一直線に進んでいく物語であり、必ずや悲劇で幕を閉じるだろうということです。登場人物の誰もが、錬金術は等価交換の法則に則っていると言っているにも関わらず、錬金術が等価交換の法則に則っていないのは誰の目にも明らかです。錬金術で時計を作ろうとした場合、エドは同じ重さの鉄の塊を用いています。一見これで等価交換の法則は成り立っているように思えるかもしれませんが、そこには〝どうやって作るのかという創造力”や〝作り出すための労働力”などの要素が完璧に欠落しているのです。では錬金術はこれらの創造力や労働力をどこから持ってきているのか。・・・もうこの物語がただでは終わらないのは、明白です。結果として錬金術は、人間の命を燃料としていたことが分かりますが、その供給元が我々の世界の戦争だと言うのは、流石は会川昇というところでしょうか(笑)。

 とはいえ、〝はがれん”の最終回は、私が思っていたよりは遥かに穏やかなものになりました。会川昇の作品は、デビュー作の「亜空大作戦スラングル」から見ている(決して会川昇が好きだ、と言う意味ではない)私にとっては、会川昇は「ひとでなし」だという意識がとても根深いので、こんなまともな終わり方をしているのを見ると、「会川昇も成長したものだなあ」感慨を新たにしてしまいます。まあ同じ時期に作っていた「機甲天女ロウラン」がやりたい放題なできだっただけに、その辺で心のバランスを取っていたのかもしれませんが(笑)。〝はがれん”もまともとは言っても、別にハッピーエンドになったわけじゃなくて、エドワードは異世界に飛ばされて明らかに帰ってこれなくなっちゃったし、アームストロングは准将に昇進したものの片目を失って大総統と同じ道を歩むことが暗示されているし、アルも錬金術を学んで再び人体練成を試みそうだし、国は戦争ばっかでちっとも平和にならないし・・・なんだいつもの会川昇じゃん(笑)。人はそう簡単に変わったりしないもんですよね。ちょっとほっとしました。

 会川昇はこの10年ほどアニメのトレンドについて非常に良く研究しており、「起動戦艦ナデシコ」では萌え系男性ヲタクをファンに取り込み(「南海奇皇ネオランガ」も同じ層を狙ったようですが、明らかに刺青美少女はやりすぎでした・・・)、「十二国記」では文学少年少女をファンに取り込み、本作ではついにヤオイ系腐女子の取り込みに成功しました。とはいえ本人も、まさかコミケのジャンルコードになるほどとは思っていなかったでしようが(笑)。ただラストはやはり腐女子は完璧に無視した展開でしたが、ま、この辺は譲れない所と言う事でしょうね。

ではまた明日。

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コメント

いいですよね、会川昇。最終回楽しみにしておきます(帰国後チェックなので)。

>デビュー作の「亜空大作戦スラングル」

そうだったんだ。これもよかったなあ。パンクって感じで。

>「機甲天女ロウラン」

これは平野色のほうが強いと思うけど、まだ最終回見てないのでなんともですが。

会川昇は作品ごとに自分も成長しているような気はしていますが、、、?

投稿: harada | 2004.10.07 00:42

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