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ウルトラQ dark fantasy 密やかな終焉

さて「ウルトラQ dark fantasy」第二十話「密やかな終焉」の感想である。

(以下、ネタバレ感想)

 今回はバイオモンスターの話である。

 誠羽薬科大の研究員「山瀬由美子」は人造人間である。

 彼女は大いなる意志に導かれ、理想的な世界を実現するために、
 
 日夜、悪しき不完全な人間を取り込んで、自らの複製を造り続けるのだ。
 
 (仮面ライダーのナレーション風に読んで下さい)

 ていうかこの設定、漫画「ガイバー」の「アプトム」を思い出したぞ。

 さてこの生命体「山瀬由美子」であるが、感じとしては、他人の細胞を取り込んで別の遺伝子に書き換えて増殖している様を見ていると、ウィルスに近いモノの様な気がする。
 或いは、他の生物を補食して、細胞分裂を繰り返す単細胞生物の類とか。
 「山瀬由美子」の身体はそんな単細胞生物の集合体で出来ているのだろうか?

 まあ多細胞生物だったとしても、元来、テロメアの問題さえなければ生物とは自分の遺伝子のコピーを際限なく生産し続けるモノである。
 遺伝子複製の材料源を直接細胞に取り込むか、あるいは消化器官を利用して消化、吸収したタンパク質を使って行うかの違いだけであると考えれば、細胞レベルでは「山瀬由美子」と一般の生物ではその目的に実はあまり違いは無いとも言える。
 ただ「山瀬由美子」の場合、生殖行為による遺伝子のミックスが行われないので、途中突然変異さえしなければ、ただただ同じ遺伝子が生産され続けるだけである。
 これは数億年の年月をもって有効であると実証された遺伝子の多様性という機能を完全に放棄した生命体ということである。
 自分は完全だとか言ってみても、きっと「山瀬由美子」は環境の変化に徹底的に弱いんだろうな(後述)。

 さて「山瀬由美子」の能力について考察したい。
 彼女の能力として、

  Ⅰ.人間を手から取り込める
  Ⅱ.自らの複製を作成する

 の2つが挙げられる。
 自分の細胞を相手の身体に侵入させ細胞レベルで相手を補食。しかる後に新陳代謝を繰り返し、場合によっては細胞を死滅させて取り込むのだろう。まあ、あんなに早く新陳代謝を行えるか、ということについては置いておくとしよう。
 謎なのは、今回の話の冒頭で6人もの人間を取り込んでどうしてあの体型のままであったのかということである。
最初に考えられるのは、消化器系が要らないのでは無いかということである。
 話を聞く限り「山瀬由美子」が初めて人間を取り込んだのが、冒頭のシーンであるらしいので、それまでは普通の食事で生活をしていた筈だ。
 まあ人間を取り込む様になってから、自らの器官を変化させたとしよう。
 しかし、それでもヒト1人も入らないのではないか?
 しかも6人である。
 被害にあった研究員の男女比は判らないが、一律体重が60kgあったとしよう。そうすると6人分で360kg。「山瀬由美子」本人の体重を合わせると400kg以上になるだろう。周囲に遺体の残骸が無い以上、被害者の身体を全て取り込んだと思われる。
 しかし400kgとは・・・これは相撲取り以上の体重になる。
 体型はともかくとして、この体重では同僚である川野耕平は「山瀬由美子」を運べなかったのではないか?
 そう考えると、あの時点で6人分の細胞が「山瀬由美子」に集まっていたと考えるのは少し無理がある。
 恐らく、あの時点で既に6人分「山瀬由美子」のコピーが造られていたのではないだろうか
 彼女等の似姿は「山瀬由美子」と同じである。だから一斉に出て来なければ、怪しまれずに済んだに違いない。
 最初、オリジナルの「山瀬由美子」と同じように混乱があったのかもしれないが、恐らく怪しまれないように、一人一人ばらばらに大学を出て行ったのだろう。

 ところで、取り込む対象は人間以外でも良いのだろうか?
 恐らく増殖するには人間を取り込むのが最も効率的なのではないだろうか。オリジナル(?)「山瀬由美子」の最期のシーンで直前に取り込んだ同僚・川野耕平の意識が残っているところをみると、取り込まれたといっても完全にタンパク質に分解されたのではなく、取り込まれた側の重要器官の大半は「山瀬由美子」の体内にコンパクトに纏められて残っていたのだろう。
 そして増殖する場合は、取り敢えず「山瀬由美子」の似姿や、記憶(!)を取込んだ者の脳にコピーした後、内臓器官を利用し「山瀬由美子」を取り敢えず分裂をする。分裂後の個体はしばらく「山瀬由美子」のDNAではない内臓等の器官を使うのだろう。
 つまり「山瀬由美子」は自らの個体を増やすためには、人間を一人補食しなくてはならないことになる
 「山瀬由美子」が何を目指しているのかは不明だが、彼女が個体を増やすためには人間が必要になると言うことだ。人間を根絶やしにするのが目的ならともかく、種の存続を考えると、案外、このあたりに人類との共生の道があるのかもしれない。

 ただ「山瀬由美子」はもっと刹那的かもしれない。

 なぜなら、彼女のコピーはそもそもテロメアが最初からが欠落しているのだろうと考えられるからだ。
 というのも、彼女は生まれてから既に30年経過している。そしてその姿は別に子供や青年のそれでなく、年相応の姿をしている。つまり人と同じ様な老化現象が起きているのだ。そしてそれは補食や分裂という急激な新陳代謝による細胞分裂でより加速していくと考えられる。
 本来、生殖細胞から生まれる精子や卵子はテロメラーゼという酵素によりテロメアは元の長のままである。だが彼女の分身達は30歳の彼女と同じ姿をしている。つまり彼女達のテロメアは短いまま、いや分裂を繰り返す度にどんどん短くなっていくのだ。
 「山瀬由美子」の寿命は不明だが、テロメアが欠落していく以上、どんなにあがいても限界はある。
 つまり彼女たちは恐らく全員が一斉に死んでしまう筈だ。人間と同じくらいの寿命であるなら、種としてはせいぜい後50年といったところだろう。 それまでに全ての人間を食らい尽すつもりなのだろうか?

 他にも「山瀬由美子」には生命体として不安要素がある。
 それは「山瀬由美子」は細胞分裂を促進したり、アポトーシスにより細胞を殺したりすることを、比較的自らの意志で自由に行っていると言うことである。
 一見これは便利に見えて、実は自からを殺傷するのにもつかえてしまう。
 劇中、オリジナル(?)「山瀬由美子」は川野を取込んだとき、川野は「山瀬由美子」の身体機能であるアポトーシスを使い、自殺をした。
 これは、完全に取込まれる前の、分裂中の人間は、「山瀬由美子」の身体を操れる、と言うことである。 つまり人間を取込み分裂中が「山瀬由美子」の最大の弱点であり、このカラクリを知った意志の強い人間が取込まれた場合、それは「山瀬由美子」の死を意味する。

 また他人の人間のDNAを書き換えると言っても、普通のウィルスまで無効にはできないだろう。「山瀬由美子」も風邪になるのだろうと思うのだ。
 しかし、種としての「山瀬由美子」は全て同じ遺伝子を持っている。
 これは「山瀬由美子」専用のウィルス兵器を造ることも可能と言うことだ。
 こんな時に画一した遺伝子を持つ種は一斉に滅びでしまう。
 恐らくその後の「山瀬由美子」はこれで一斉に死滅させられてしまうだろう。
 いくら個体の能力が高いとはいえ、多様性のない種は、生物学的に弱いのである。

 因みに、分裂の際に服装まで分裂しかけたが、これはきっと「山瀬由美子」が開発した生体スーツなのだろうな(嘘)

ではまた来週。

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