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ウルトラQ dark fantasy 光る舟

さて「ウルトラQ dark fantasy」第十五話「光る舟」の感想である。

(以下、ネタバレ感想)

 人生をやり直したいと思う男が二人。
 一人は会社が潰れ、妻にも逃げられた中年、岡田。
 もう一人は、何もかもが中途半端で、ただ何となく自分の人生が失敗したと感じている茶髪の若者。
 二人は、それを海まで流せば生まれ変わることが出来るという模型の小舟を河に浮かべる。
 だが結局船は海までは流れ着かず、船は虹となって消えてしまう。
 その虹に元気づけられたのか、岡田は、また人生を頑張ってみようかと考える。
 一方、茶髪の方は病院の中で目を覚ます。
 実は若者の方はバイクの事故で重体にあり、危篤状態だったのだ・・・。

 何というのか、実にハートウォーミングな話であった。
 話だけなら、今までで一番面白いかも。
 ただその分、特撮は極端に少なかったようだが(笑)。

 今回のアイテムは、木で出来たなんとも粗末な舟の玩具である。
 舟を河に浮かべると、思い出したように光るが、それ以外はふつうの玩具である。
 船底には穴があいており修理しなければ浮くことすら出来ず、しかも水の流れに任せてただ河を下るだけである。
 まるで若者の人生そのものを象徴しているかのようなこの小舟だが、これが海まで出れば、茶髪の人生をやり直すことが出来るのだという。
 結局この船は事故で昏睡中の茶髪に神様(?)に手渡された、恐らくは彼の衰弱した命そのものであり、これが順調に海まで流れていったなら、それは彼の死を意味していた。
 作中では「生まれ変わる」という言葉の意味を「昨日までの自分とは違う自分になれる」程度の漠然としてイメージで語り、具体的なことを曖昧にしていたが、あのまま小舟が海にたどり着いていたなら、茶髪は死に、本当に別に人間に生まれ変わっていたのだろう。


 ところで、今回は人生に失敗したと感じている者達の話である。
 人生負け組(と、本人達は感じている)が、人生をゲームみたいにリセットできたらいいなぁ、と期待をする話だ。
 ああ、なんか共感出来る箇所もあるな、と思ってみていたが、同時にあの程度でリセットするなら、いろんな人達に申し訳が無くないだろうか、と感じた。
 ちょっと喧嘩をしたが妻子もあり、再就職も十分可能そうな中年・岡田と、努力もしない(ように見える)で幸運を逃し続けていると感じているが、まだその若さそのものが武器になる若者・茶髪が、人生をやり直したいなどとは言語道断。
 
 というか、その光る舟、オレによこせ。
 
 今度人生をやり直せるのだったら、もっと頭が良く、容姿が良く、そしてもっと裕福な家庭に生まれたいですよ。
 いや贅沢は言わない。取りあえず、この何の役にも立たないヲタクな性癖さえ直せれば、或いは幸せになれたかも・・・
 ・・・と、いかん、いかん。つい願望が。

 とは言え、私があの船を貰っても、やはり迷うと思う。
 それは上でも述べたように、今度生まれても今より幸福な環境にいるとは限らない。
 まず紛争状態でもなく、ある程度の底力を持った先進国に居るということが相当な幸運であると感じている。極端な例えかもしれないが、いきなり暴漢に襲われることもなく、飢えや疫病に悩まされることもないということは、普段意識しないだろうが、相当な幸運だと思う。
 そして、もし先進国に生まれたとしても、何らかの障害を持って来るかもしれない。もっと言ってしまえば、再び人間に生まれてくるかも怪しい。そういった努力だけではどうしようもない生まれながらのリスクを、まず考えてしまう。

 では、作中で語られなかったが、或いはあの小舟は、必ず日本で人に生まれ変わるものだったとしよう。

 しかし、それでもこんな凡庸な人生でも、いままで培ってきた知識や経験は、なかなか手放し難い。
 今の自分と同じ経験値を得るには、現在の年齢とほぼ同じだけの年月が必要なのだ。知識が来世に持ち越されるのでなければ、ちょっと躊躇してしまう。
 まあこれはまだ私が自分の人生を終わらせる気がないと言うことだろう。
 不治の病にかかったり、必ず死ぬような状況に巻き込まれることが分かっている場合、来世が約束されるということであるのだから、逆に使ってみたいと思う。
 だが、多分こういった場合にはこの船は渡されないのだろう。まだ可能性の有り余る若者だから、自分の命を対価にしてやり直せるチャンスが与えられたのだ。


 さて本作の最大の疑問点は、病院のベットで死にかけていた茶髪が、同時刻に外で岡田と共に舟を浮かべていたことである。
 一番簡単な回答は、二人で同じ夢を見ていた、ということだが、しかしそれでは岡田が落とした五百円硬貨を、退院後の茶髪が拾うことの説明が出来ない。

考えられることは二つ。

 Ⅰ 二人で同じ夢を見ていた。
    茶髪は病院のベットの上で。
    そして岡本は川縁で、茶髪や光る舟の幻影を、現実に重ねながら。
    つまり岡本は起きながらにして夢を見ていたのだ。

 Ⅱ 茶髪のドッペルゲンガー(実態あり)が出現し、茶髪の意識とシンクロしながら川縁で
     岡本と共に光る舟を浮かべていた。

 私としてはⅡだと思う。ただし茶髪のドッペルゲンガーについて、誰が、どうやって作成したのかは、光る舟と共に不明。

 まあ今回はファンタジックな話だし、神様が絶妙な手腕で落ち込む二人を試し、元気づけた、という解釈にしよう。

 蛇足になるが、涼が作中なんども言っていたクイズ
 「空を飛べるくせに、飛べないと言い張るのはなーんだ」
 これは、本当は出来るくせに、やろうとしない人間。或いは、客観的に見ると別に不幸でもないのに、不幸だ、不幸だ、と言い張る人間。つまり、「生まれ変わり」たがった岡田と茶髪の事であろう。というか、なかなか耳が痛いんだが。
 因みに、このクイズの答えは最後のシーンに答えは出てきている。

 答えは「飛行船(ひこう・せん)

 ・・・お後がよろしいようで。

ではまた来週

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