« 「忘却の旋律」(第六・七・八話)感想文(ネタばれ注意!!) | トップページ | グリムロック »

「忘却の旋律」感想文外伝<榎戸的ヒロイン論>

 あまりにも書くことが無い時のために、少しづつ書き溜めていたんですが、そもそも本編が月一回という体たらくになってしまい、これを後ろにつける余裕も無くなっちゃったんで、単独で行きます。ま、誰も興味がないところなんだろうけど、せっかくだからさ♪

 当然のことですが、各作家が描くキャラクターには一定のパターンがあります。従って「この作家だから、こんなキャラクターを描いてくれるはず」という見方も当然できますが、逆に「このキャラクターがこういう性格をしているのは、あの作家がこのキャラクターを組み立てからだ」という見方もできるわけです。つまり各作家毎のパターンを掴んでしまえば、複数の脚本家がその作品に絡んでいたとしても、その作品の成り立ちがほぼ全て分かってしまう事になります。

さて榎戸先生の描くヒロインは、恋はするけど、男性には決して依存しきらず、男性以上に独立心旺盛で強い心を待った自立した女の子です。多くの場合男性以上に高い能力を持っており、男性とは対等な関係で恋をしますが、大抵(っていうか…絶対?)報われないのも大きな特徴です。肉体関係に対する忌避心は少なく、(少なくとも見かけ上は)さっぱりとした性格をしています。主なパターンとしては、

(1)「気が強い!」:榎戸ヒロインはみんな揃いも揃って気が強い、言葉を変えれば“はねっかえり”ぞろい。“なよなよした”とか“男の後ろを3歩下がって~”なんて殊勝な奴は、一人だっていやしません。一見か弱そうに見えるテレビ版姫宮アンシー辺りも、相当気が強そうだしね(っていうか…元凶?)。

(2)「高い能力(女性上位)」:月野うさぎ→最強のセーラー戦士、葛城ミサト→実質的なネルフの司令官、アスカ→14歳にして大学を卒業した天才少女、天上ウテナ→鳳学園最強の剣士、ハルコ→巨大ロボットより強い、…というか、各ヒロインを各作品のヒーローであるタキシード仮面(戦闘力で)、加持リョウジ(地位や能力で)、碇シンジ(頭脳とエヴァの操縦技術で)、桐生冬芽(あくまでも剣の強さで)、ランダバナオ太(…全て)らと比較すれば、結果は歴然でしょう。

(3)「恋多き乙女」:月野うさぎ→地場衛、葛城ミサト→加持リョウジ、惣流アスカ・ラングレー→加持リョウジ(碇シンジ??)、TV版天上ウテナ→鳳暁生、劇場版天上ウテナ→桐生冬芽、ハルコ→アトムスク、小夜子→黒船というように、ほとんど全ての榎戸ヒロインは、恋に生きてます。

(4)「でも男には溺れない!!」:榎戸ヒロインは皆独立心旺盛で、男に依存心なんて、欠片も感じていません。確かに葛城ミサトやアスカは前半は凛々しかったものの、後半はすっかり女々しくなっちゃいました。しかしそれは榎戸先生降板の後のことなので、知ったこっちゃありません。TV版ウテナは最後には肉体関係のあった暁生と、泣き言一つ言わずに殺し合いを演じてくれましたし、ハルコも男に泣き言を言うようなタイプには、とても見えませんね。

(5)「そして恋に破れる…」:そんな彼女たちの終着駅は、決まってブロークンハート。榎戸ヒロインで恋を成就させたキャラは、今のところ唯の一人もいやしません。パターンは二つで男に裏切られるか、男が死んじゃうか。例外は現在進行形のまま終わった「セーラームーンSS」のうさぎと、「フリクリ」のハルコくらいか?。果たして「忘却の旋律」の小夜子と黒船の仲は、どちらに転んでしまうのか(っていうか…八方塞り?)。

(6)「料理が下手糞(笑)」

<榎戸ヒロインズ No.01>
「月野うさぎ」(美少女戦士セーラームーンSS):言わずと知れたセーラームーンシリーズの主人公。榎戸先生が構成したのはシリーズ4作目のSS。栄えある榎戸先生のアニメシリーズ構成デビュー作に当り、うさぎは初ヒロインと言えます。…とはいえ榎戸先生が“創った”部分は2割くらいかな?過去の歴史が長かったし(笑)。でもうさぎは、榎戸先生の方向性とはそんなにずれていないキャラなので、本人的にはそんなに無理はしてなかったんじゃないだろうか。榎戸ポイント的には、「男に溺れない」の要素が弱いように思われるかもしれませんが、SSでは地場衛とのベタベタした絡みはほとんど無いので、問題無し。最終回も(仲間の助けは借りず)一人で敵の総大将を倒すなど、自立した所を見せてくれました。

「惣流アスカ・ラングレー」(新世紀エヴァンゲリオン):エヴァンゲリオンは、榎戸先生が構成した初の完全オリジナル作品であり、アスカは初の完全オリジナル榎戸ヒロイン。榎戸先生らしさを全て兼ね揃えた、完全無欠の榎戸ヒロインに仕上がりました。滅法気が強くて、14歳で大学出てて、年上の男性に恋をしてて…。しかし榎戸先生途中降板によって、アスカは後半、すっかりヘロヘロになってしまったのは、かなり残念。でもまあアスカのファンだった人は、後の榎戸作品を見ていれば全然問題無いはず。蛇足ながら、「綾波レイ」はエヴァのもう一人の構成作家、薩川昭夫が組み立てたキャラ。レイに会いたければ、薩川昭夫がシリーズ構成した「ギルガメッシュ」を見てください。レイ同様に、色素が薄くて無機質でぼそぼそしてて無表情で超能力を持ったクローン人間たちに、山ほど会えます!!

「葛城ミサト」(新世紀エヴァンゲリオン):エヴァのもう一人のヒロイン。榎戸先生はエヴァのシナリオを全部で4本書いていますが、その内の3本は実質的にミサトが主人公。榎戸先生としても、非常に思い入れの強いキャラだったのではないでしょか。月野ウサギと同じ“三石琴乃”が声優を演じたのは、偶然ではないでしょう。彼女もまたアスカ同様、思い切り気が強くて、実質的なネルフの司令官で、同僚に恋をする、典型的な榎戸ヒロインです。ミサトもまた後半ヘロヘロになってしまいますが、榎戸先生は第拾壱話「静止した闇の中で」をもって降板してしまっているので、致し方ありません。ただ後半濡れ場があったのは、榎戸先生の初期のシリーズ構成通りだったと言えなくも無いような気もしますが…。

続く(笑)

|

« 「忘却の旋律」(第六・七・八話)感想文(ネタばれ注意!!) | トップページ | グリムロック »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26541/799858

この記事へのトラックバック一覧です: 「忘却の旋律」感想文外伝<榎戸的ヒロイン論>:

« 「忘却の旋律」(第六・七・八話)感想文(ネタばれ注意!!) | トップページ | グリムロック »