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ウルトラQ dark fantasy 夢みる石

さて「ウルトラQ dark fantasy」第十二話「夢みる石」の感想である。

(以下、ネタバレ感想)

 疲れきった日常を捨て、子供になって無心に遊びたい。

 おまえはどうかと問われると、別に財力も力もない子供に還りたいなどとは思わない。が、或いはもう少し歳を取ったり、子供を持つようになれば、そう思うようになるのだろうか。
 親にとっては、子供をは育て、保護すべき対象であり、自身の期待である。親になってみれば、その若さや、無邪気さ、そして親の保護があるという安心感は、全て自身が失ったものであり、憧憬の対象足りうるものということだろうか。

 ところで彼らは子供になって何がしたかったのだろう。
 子供になりったならば、当然大人に保護されなければ生きては行けない。
 いくら分別のある大人が、しかも自分の子供を方って置いたまま子供になり続けるという無責任なことが出来るとは思えないし、子供達をドロップで恐らく一晩眠らせておく様にし向けるところらから、恐らく一夜限り、という約束だったのだろう。

 あ、そうか。

 大人はそう言った分別があるから、子供のように心の底から遊べないのだ。
 子供になって遊ぶ、というのは、つまり、心の底から遊びたい、遊んでストレスを解消したい、と言うことなのだろう。
 これが普通のファンタジーなら、一夜の子供への回帰によって活力を取り戻した、という話なのだろう。しかし本作では子供になってみたものの、まるでゾンビの様な姿に、遊びだけを貪欲に追求する、シャーマン・ウツギの言うように化け物になってしまった。
 流石ダーク・ファンタジーといったところか。

 さて、隕石とシャーマンの考察をしてみる。

隕石
 有る種の鉱物と考えられるが、その正体は不明。落下したものは、人の頭程の大きさで、妖しく緑色に発光する。
 ある程度の人間が集まって同じ願いをして、シャーマンがそれを伝えると、その願いを叶える力を持つらしい。

エイリアン
 隕石と共やってきて、人に寄生した生物。(以下、エイリアンと呼称。)
 寄生された人間はシャーマンとなり、隕石にそのコロニーの人々望みを伝え、それを叶える能力を持つとされている(詳細は不明)。
 また、強力な睡眠効果の有る、緑色のドロップ(スタードロップ)を体内より吐き出すことによって作成する能力を持つ。

 隕石とエイリアンの関係は何なんだろうか。

 エイリアンは人間に寄生しているが、彼らの生態は隕石から大きく離れられないものと考えられる。恐らく、行動半径は2~3㎞といったところか。
 そして隕石は有る程度の大きさを有している場合、エイリアンを生存可能とするような、ある種の場を発生させているようである。ただ隕石が粉々に砕かれた場合その場は極端に減少する。
 隕石が粉々に砕かれても僅かだがその光を絶やさなかったところからみて、何かの装置では無いようだ。
 恐らくその大きさと、エイリアンが生存可能な場の範囲は、ある程度の大きさから極端に延びていくものなのだろう。

 エイリアンの目的は何だろうか。
 願いを叶えるという強大な力を持っている割には、ドロップを吐き出しているところを見られていることに気がつかず、目の前で子供に隕石を砕かれるような間の抜けた(注意力が散漫で、動きが緩慢な)エイリアンは、自分の生命線である隕石を地球人から守ることが困難なのだろう。よって近くの村や町の住人の願いを叶えることによりそのコミュニティの信頼を得て、或いは自分の支配下に置き、自分の生きる源である隕石を神格化して御尊体としてコミュニティ全体がとして守る様な体制を創るのが目的ではないだろうか。
 尤も、隣近所の付き合いのない、田舎の農村の様に隔離された場所や時代ならともかく、交通の便が良くなり、情報化された現代の、しかも都市(東京)の郊外が対象であると、なかなかそういった隔離した体制を作り出すのは困難だろう。
 またコミュニティ全体の願いを叶えるというのも、昔なら雨ごいなど比較的単純だったのだろうが、現代のように価値観が多様化した日本に於いては、なかなか探り出すのが難しかしい。しかも出てきたものは、子供になりたいという。これは雨乞い等とは比べものにならないくらい、叶えるのが難しい願いであったに違いない。
 価値観が多様化したなら各人に別の願いを叶えればいいのではと言う声も出そうだが、それでは良い願いを思いついた者勝ちであり、各人に不公平感が産まれ、下手をすれば、コミュニティの崩壊か、あるいは際限なく願いを叶え続けなくてはならないだろう。
 願いを叶えることはエイリアンにとってもかなりの対価を支払うものであり、かつ、その結果がなかなか妖しければ、そう何度も披露できるものではなかったのだろう。よって全ての人間(大人)に共通した願いを一括というものを探り出したかったのだ。
 まあその結果、子供になって遊びたい、というなんともいびつな願いになってしまったのだが。

 ところで、あの子供の姿だが、子供にされた坂本が直前に負った傷がそのまま残っているところや、服装なども変化していることから、体細胞がそのまま若返ったものではなく、恐らく本人がイメージする幼い頃の姿を隕石が与えた仮の姿なのだろう。
 エイリアンの触手によって子供の姿になるところや、肌色がエイリアンに寄生されているウツギに近いこと、また伝染性があることから、恐らくあのエイリアンの子供(或いは身体の一部を株分けしたクローン)に寄生され、これに「子供になる」と言う願いが集まって、漸く隕石が願いを叶えることが可能になったのだろう。
 逆に言うと、そこまでしなければ子供になるという願いは果たせない程、困難な願いだったのだ。

 降りてくる場所と時代を間違えたと言うのが、実はエイリアンの正直な感想ではなかったのではないだろか。

 ではまた来週。

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