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ウルトラQ dark fantasy 午前2時の誘惑

さて「ウルトラQ dark fantasy」第九話「午前2時の誘惑」の感想である。

(以下、ネタバレ感想)

 会社からも疎まれる行き遅れOL大島浩子は、深夜のTVショッピングが唯一の楽しみ。
 そんなある日、コスモTVショッピングで若返りの薬、ワカワカリンを購入し・・・

 それにしても、なんとも平和な話であった。結果的には全て大島女史に良い方に転がり、ハッピーエンドに。
 なんか今回の話は、星新一のショートショートを思い出すのだが、この手の話はその強力な力に魅せられた主人公がアイテムの用法を間違える(大抵は欲を出し過ぎ)か、或いは強烈な反動や副作用による、手痛いしっぺ返しを受けるのが常套である。
 てっきり若返りすぎて赤ん坊になってしまうとか、反動で年寄りになってしまうのかと予想していたのだが、その前に話しは終わってしまった。
 主人公が余りに小市民で、結果的に10歳程度若返っただけで満足したのがよかったのだろう。
 身の丈にあった幸運が幸せになる秘訣、という教訓かもしれない。

 さて、あのワカワカリンは一瓶飲むだけでおおよそ10歳若くなるようである。
 これが5瓶で9800円。

 安い、安すぎる。

 若くなるというのは、単純に寿命が増えると言うことである。
 9800円のワカワカリン5瓶により、単純計算で50年も寿命が延びたのだ。
 しかも50年後に再びそれを購入すれば、また50年寿命が延びる。50年に一回9800円を払えば永久に生き続けることも可能なのだ。
 うーむ、凄いぞこれは。
 あの薬だけで、社会の有りようが一変する可能性を秘めている。
 人が死に難くなるということは、それだけで人口増加につながるし、肉体の年齢と実年齢が一致しないため、年金をはじめとする社会保証制度も一気に崩壊しかねない。
 しかも、この不老不死の薬を手に入れるためには、この宇宙のどこかに居る火の鳥の生き血を求めるような困難さはなく、TVショッピングであっさりと手に入ってしまうのだ。
 こんなオーバーテクノロジーが格安で個人が買えるともなれば、社会が崩壊しかねない。ワカワカリン自体、きっと在庫を大量に抱えているのだろうが(後述)、しかし地球全人類に配るほどの数は無いだろう。
 これだけでも争いの種になりかねない。

 実はコスモTVショッピングの宇宙人、それを狙っていたんじゃないだろうな。

 さて、今回も(懲りずに)ツッコミを入れてみる。

 Q1.なんで衛生放送のアンテナの角度を変えなくてはならないような角度から
    TVショッピングをやっていたのだろうか。
    しかも電話も通じるし、銀行振り込みによる日本の円が使えるとはいったい。
 A1.あの宇宙人は普段はルパーツやウニトローダの様に、地球で、恐らく日本で
    生活しているのだろう。だから一般市民と同じように電話や銀行口座を持っ
    ているのだ。
    しかし衛星パラボラアンテナの角度を明後日の方にずらさないと受信出来な
    放送をしているのは、恐らく、衛星放送を特定方向に向けなければ受信出来
    ないことを知らなかったんじゃないだろうか。
    きっと毎晩放送しているのに、全然注文がないと、嘆いているんのだろう。

 Q2.商品が安すぎるような気が・・・
 A2.きっと彼らの星ではもう当たり前の代物なのだろう。
    上でも書いたが、こんなものが当たり前に存在する社会では、人口の爆発的
    増加は必至で、また年功序列という単純な社会的ヒエラルキーも崩壊する。
    恐らく若者だらけで、人口も増えず、きっとかなり停滞した社会になったのだろう。
    (逆に社会問題となり御禁制の代物になった可能性もある)
    その結果、地球に大量の在庫を売りに来たものと思われる。よって安いのだ。
    まあ宇宙TVショッピングサービス自体、始まったばかりで、サービス期間内なの
    かもしれないが。

 Q3.なんで、交差点の真ん中に、コスモTVショッピングの宇宙人が立っていたんだ?
 A3.単なるご都合主義、といきたいところだが、きっと営業活動中だったのだろう。

 Q4.ワカワカリンを飲むと、背丈だけでなく、髪の長さや色までも変わってしまったの
    は何故?
 A4.単純に、体中の細胞が若返ったのではないのだろう。
    恐らく、ワカワカリンは一種のタイムマシンで、飲んだ人間の細胞を10年前に転移
    させているのだ。(ただし、脳の記憶についてはその限りではない。)
    つまり、大島浩子の20代、10代の姿は、その当時のままの姿なのだろう。

 うーん。なんかこんな殺伐とした解説はしっくりこないな。

 今回の話は、設定だけ考えると、もうこの世界を一変させるだけの凄い威力があるのだが、作中からはそんなことを微塵も感じさせられない。
 きっとSFとして観るべきではなく、今回の話は、TVショッピングにカネを注ぎ込んだ大島女史に、TVショッピングの神様が幸運を与えてくれたファンタジー、と観るべきなのだろう。
 
 負け犬人生でも、何か固執しているモノが在れば、その神様が救ってくれるのだろうか?

 ところで私も元の大島女史と同じ様な年齢なのだが、最近は肥満が気になり始め、疲れが抜けなくなった。
 要は歳を取ったな、と実感し始めているのだが、同時に若さに対する羨望も芽生えてきた。

 つーか、ワカワカリン。マジ欲しい。

それではまた来週

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コメント

10才若返るけど、本来の寿命が10年減る場合は、欲しいですか?(これだとバランスとれるかな?)

>何か固執しているモノが在れば、その神様が救ってくれるのだろうか?

これはなにかテーマの一つっぽいですね。

投稿: harada | 2004.06.09 01:07

星新一のだと、若返りの薬は罠って話があったな。全世界に生中継で若返りの薬の製法まで無料公開されちゃって、若返った地球人が人口爆発で破滅するようにしむけ、それでできた余剰人口を奴隷として売りさばく奴隷商人が宇宙人の本業だったっけな?

超人ロックの世界だと超能力によるわかがえりの他,技術的な若返り技術もある。しかし若返りを何度も繰り返すとだんだんいろんな所がダメになっていき、最後は手術にも耐えられなくなる。寿命を2~3倍くらいに伸ばすことは出来るしそれだけでもすごいことなのだけど、若返り技術は不老不死を意味しない。
また若返り技術に不適合の人たちも一定数いて、不適合者が同時に大金持ちだったりすると寿命をのばすために全財産使って、いろんなトラブルを起こしたりしてます。

鉄腕バーディの「スピリッツ」だと、老人が若くて健康な肉体を手に入れられるようだが、意外と寿命は延びてないのかもしれない。少なくとも若い人でも使いすぎると副作用で体がボロボロになって死に至るそうだ。

手塚治虫のマイナー作品でも、「若返り装置を使うと肉体は若返るけど、寿命が残り一週間になる」みたいなのはあった希ガス。

投稿: とおりすがり | 2017.04.22 17:30

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